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十一面観音巡りの旅(1)春の大和路 [2013春奈良(室生寺・長谷寺・聖林寺他)]

 テーマを決めて旅をする愉しさにはまってから、オペラやロマネスク美術のためヨーロッパに行くことが多かったのです。しかし、70歳を超えるといろいろな制約もでてきました。近場でさえ、年々難しくなるのでは・・・と、元気なうちにと、かねてからの念願だった仏像に会いに行く旅を計画。昨年は春と秋に奈良方面に行ってきました。

 ↓白洲正子さんの「十一面観音巡礼」(新潮社)を書店で手に取り、購入したのは10年以上も前でした。表紙は聖林寺の十一面観音立像です。

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いつかはこういう旅をしてみたいと願っていましたから、古希を迎えるに当たって、ようやく実現しました。もちろん何度かに分けて行くことになりますし、十一面観音像だけでなく、他の仏像にもお参りすることになります。ただ、私自身は仏教徒ではありませんし、無宗教のいうなれば自由な立場です。仏像に手を合わせ、参拝する行為は宗教的な空間を尊重し、讃美と感謝の気持からのものです。美と旅に生きた白洲正子さんの足元にも及びませんが、彼女を先達としてこれからの旅を心新たに進もうと思います。。。。と、前置きが少々固くなりましたが、実際はいつものお気楽な旅日記で、グルメの話題なども入ります。

↓ 廻るコースは「大和路秀麗八十八面観音巡礼」を参考にしました。

http://www.kairyuouji.jp/kannon.html

 例年より厳しい寒さと豪雪に見舞われた札幌。まだ春の訪れには遠い日でしたが、まずは東京へ飛び春の旅が始まりました。2泊して、新歌舞伎座の杮落しの公演やオペラ「ニュルンベルグのマイスタージンガー」(演奏会形式)を楽しんだ後、新幹線で奈良へ。奈良は山の辺の道やお水取りなど、十数年前年に何度か来たことがありました。本当に久しぶり~(わくわく)。

この日は前日から猛烈な低気圧が予想されていました。しかし、朝の東京は時々小雨程度で風もなく穏やかでした。心配だった新幹線も時刻通りに出発して、京都で近鉄線に乗り換え、無事奈良に到着。奈良は中程度の雨模様でした。 荷物を駅のコインロッカーに預け、電車で「学園前駅」から徒歩10分くらいの大和文華館へ。

★大和文華館 http://www.kintetsu.jp/yamato/

 チケット売り場のある入口から、緩やかな坂を上りますと、白壁となまこ壁を組み合わせた、一見すると蔵のような建物が見えました。路傍に咲く山吹が暗い雨の日にひときわ美しい。

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特別企画展は「人物画名品展」
ここの学芸員でしょうか、ユーモアを交えてのガイドはなかなか面白く、ずーっとではありませんが、時々聞かせていただきました。

ここでの目玉は「婦女遊楽図屏風」(国宝)です。「松浦屏風」ともいわれ六曲一双の江戸前期のもの。解説には著名な画家の作ではなく市井の無名の画工の描いたもので、絵画というよりも流行衣装の陳列といった雰囲気とあります。
それでも等身大の女性(遊女)たち美しいきものを着て生き生きと遊ぶ姿は綺麗です。長い髪のフェミニンなタイプとポニーテールの着流し風ハンサムウーマンタイプ。着物の柄や色など、江戸の着物文化からの美しい伝統を懐かしく、惜しむ気持ちで鑑賞しました。

↓ 「婦女遊楽図屏風」(部分)絵葉書

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展示室は1室だけですから、じっくり鑑賞しても1時間くらいで終了。残念だったのは伊藤若冲の「釣瓶に鶏図」が貸し出し中?展示されていなかったことでした。

 近鉄奈良駅に戻り、荷物を出して宿泊先近くのJR奈良駅へ。 駅に隣接する「ホテルロハスJR奈良駅前」に2泊しました。

部屋は簡素そのものですが、抜群の立地で1泊6.500円。温泉大浴場あり。 外国人のツーリストも多かったです。

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 夕食は奈良通の友人紹介の「かこむら」で。友人とここの店主さんとはミッシュランの星をとる前からのお付き合いがあり、独りでも気持ち良くお食事ができました。デザートまで10皿のコース、好物の蛍烏賊の石焼が特に◎でした。

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奈良の銘酒もいただいて、ほろ酔い気分。雨も上がった奈良の町をのんびり歩いて宿に戻り、温泉に入って就寝。




 


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コメント 5

alice

新年を迎えてから早くもひと月近い日々が過ぎてしまいました。
遅くなりましたが、今年もよろしくお願いいたします。

今年も海外遠征は一回きりに抑え、国内の旅を充実させたいと思っています。MIXIの日記にアップしていた昨年の春秋の奈良の旅ですが、こちらにも一部編集して更新します。

また海外3週間の独り旅はかなりきつくなってきましたので、一部ツアーを入れて、個人で行くには躊躇われた国を訪れようとプランをたてています。

今年も良い旅ができますように。
by alice (2014-01-24 13:27) 

kikuko

もう4月も半ばを過ぎて、コメントを入れるのもお恥ずかしいのですが、なんとか心身の不調から立ち直りつつあります。昨年の手術の結果、すたすた歩きとは行かず、落ち込んでいました。
 海外の旅は諦めましたが、国内はまだ可能かもしれません。歩けなくなったらどうしよう、などと思い煩うのではなくて、まだ歩けるうちに行ってみようかな。何十年も前に行ったところがたくさん出てきそうです。参考にさせていただいて、出かけようと思っています。
 お泊りになられたホテルは、チェーン展開をしていて、昨年、京都で利用しました。どこも温泉があるのが売りのようですね。

by kikuko (2014-04-21 12:53) 

alice

kikukoさま、昨年の思いがけない手術から、ここまでこられるのは大変なことでしたね。すたすたは歩けなくても、無理せずに国内を巡る楽しみはツアーでなければ充分可能だと思います。今まで海外までもほとんど個人旅行で回られているのですから、日本では「おちゃのこさいさい」ですね!
また昨年の仙台のようにいつか、どこかでお目にかかって、地元の美味しいものや地酒を楽しみましょう~☆

昨日の私のコメントが入ってませんでした。一時コメントのアップが遅くなったり、管理画面の文章を入れるところが表示されなかったりで、困っていましたが、最近は何とか落ち着いていましたのに・・・。
by alice (2014-04-22 22:41) 

kikuko

 思いつきを書きますから、コメント返しをしなければなどと思わないでくださいね。
 春に長崎に行ったときのタクシーの運転手さんが博識で、松浦静山から若桑みどりさんまで話が弾みました。あの屏風、静山が京都で買ったことになっていますが、実は描かせたという説があって、法隆寺の救世観音は蘇我入鹿像説よりは少し信憑性があるかもしれません。
 別の話ですが、大和文華館(実はどこでも)が考古遺物の偽物を買わされたと聞いたことがあります。考古学の先生から贋の勾玉の作り方を教わって大笑いしてから何十年もたちました。
by kikuko (2014-07-12 19:52) 

alice

kikukoさま、長崎のタクシーで思い出したのですが、20年以上前独りで行ったとき、長崎26殉教者記念像を観るのを忘れたと言ったら、これは絶対見なければといって、汽車の時間まで間に合うように連れて行ってくれました。この像についてのいろいろなお話もしてくれて、多分クリスチャンだったのかも。

松浦屏風、そういう説もあるのですね。説明に芸術的な価値はあまりない風俗画みたいなことが書かれていたのを思い出しました。

西洋美術でも個人のコレクションはかなり疑わしい絵画(とくに印象派)をつかまされたみたい。かのバーンズさんも。
by alice (2014-07-14 17:44) 

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