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2014初夏の旅(5)ウィーン [2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

6/5(木)

 昨日とはうって変わって、冷たい風の吹く日。ウィーンの森に遠出してシトー派の修道院を訪れる予定でしたが、森の中で天候が悪くなったらとの懸念があり、ウィーン市内を散策する楽ちんコースになりました。ケルントナー通りをシュテファン寺院まで歩き、友人は入ったことはあるけれど記憶に残ってないというので寺院内の見学をしました。

☆ザンクト・シュテファン寺院

 私は何度か訪れていましたが、まだ地下のカタコンベには入っていませんでした。30分ほど待つとガイドツアーが始まるというので、参加することに。ガイドはドイツ語と英語でしたが、日本語の簡単なパンフもいただき、それを読みながら同行者20名くらいと一緒に30分ほど歩きました。カタコンベ(地下墓地)はゴシック様式の教会が建立された14世紀以来の古い部分と18世紀に起源をもつ新しい部分との2つの部分に分かれています。代々の大司教や枢機卿、そしてパプスブルク家の大公たちの霊廟。そのあとは石の博物館と名付けられた小さな空間があり、寺院の外側を飾っていた彫像や墓石や並んでいます。ここはゆっくり観たかったのですが、あっという間に通り過ぎました(涙)。教会の地下から繋がる広場の地下は18世紀由来の新しい墓地です。ただ1783年以来使われてなくなり改修もされていません。骨、骨、骨が暗い地下室に折り重なって埋葬されていて、特にペスト墓地は怖い~。暗く黴臭くひんやりとしたカタコンベから外に出ると正直ほっとしました。カメラは禁止。

↓ ガイドツアーを待っている間にブックショップで発見したのが下の絵葉書です。

ウィーンシュテファン寺院博物館.jpeg

 カロリング朝9世紀の写本が付属博物館にあるらしいと知って、カタコンベツアーの後、早速寺院裏手のそれらしい建物へ。ところが入口が見つかりません。残念なことに工事中でした。次回の宿題にしたいところですが・・・。

 まだ空腹感はないものの、ここまできたのだからと、近くのウィーン風カツレツで有名なレストランへ。私たちの前に入店したおじ様達は満席だからと断られた様子です。続く私たちももちろんダメでしたが、支店が近くにあるからそこへとのこと。あのおじ様たちの後を行けばいいのね~というわけで、近くの店へ。こちらもかなり混んでいましたが、本店から連絡があったらしく、奥のテーブルに案内されました。混んでいるので注文も待たされたこともあって空腹になりましたが、ビール、スープは2、サラダ1と皿からこぼれそうなヴィーナー・シュニュツェルは1皿をオーダー。ボリューム満点でしたが、美味しく平らげました。

DSCF2106.JPG

 お腹がいっぱいになると街の散策も億劫になり、オペラの始まる時間も夕方5時と早いので、今にも雨が降り出しそうななかを急いでホテルへ戻りました。友人はまたもやショッピングへ・・・。嗚呼と天を仰ぐ私(笑)早いもので明日はザルツブルクへ移動の日です。友人のスーツケースのことを考えただけで、気が重くなってきました。。。

♪~ワーグナー「ジーグフリード」@ウィーン国立劇場17:00~

Siegfried

Richard Wagner

Jeffrey Tate | Dirigent   Sven-Eric Bechtolf| Regie

Rolf Glittenberg | Bühne   Marianne Glittenberg | Kostüme

fettFilm (Momme Hinrichs und Torge Möller) | Video

***

Stephen Gould| Siegfried   Nina Stemme| Brünnhilde

Tomasz Konieczny| Der Wanderer   Jochen Schmeckenbecher| Alberich

Herwig Pecoraro| Mime   Janina Baechle | Erda

Ain Anger | Fafner   Íride Martínez | Stimme des Waldvogels

 ウィーンのチケットを購入するのは日本語版ができたと言え、いまいちシステムが分かりません。アドヴァンスチケットの期日を早めにすると取れなかったり、人気の公演をぎりぎりまで待つのも、出発するまで待たされることもあり、心臓に悪いです。今回は友人も一緒なのでリングの「ジーグフリード」はネットで見つけたチケット屋から30%の手数料を払って、早めに購入しました。昨年のロンドンでのニーナ・ステンメのブリュンヒルデが素晴らしかったので、今回もぜひ!聴きたかったのです。

 席はカテゴリー3番目でしたが、平土間前後に分ける通路が前なので、前の席も離れていて良い席でした。隣席はNYからのワグネリアンの老婦人。ウィーンには3週間ほど滞在してリングを観るそうです。日本にも行きたいけれど、遠くて費用ももかかるとおっしゃるけれど・・・何度も大西洋をオペラのために横断されるのですから、優雅ですよね~。ウィーンに来る前にMETで「マノン」を観てきたそうで、ジョナス(ヨナス)は素晴らしいとべた褒め。目がハートになってました(笑)。

 おっと!肝心のジーグフリードです。昨年のバレンボエムの指揮はぐいぐい押しまくる壮大なワーグナーの世界を具現した演奏でしたが、テイト&ウィーンフィルの歌劇場のオーケストラは緻密さを備えて、パートパートを浮き立たせた丁寧な仕事ぶり。舞台は全般に簡素ですが、第一幕は刀鍛冶の仕事場をいくつもの作業台が並び、第二幕は竜の眼を3Gを使って、洞窟の入り口に変わっていくようになって、映画を見ているような面白さ。歌手もほぼ万全にそろって素晴らしいパフォーマンスにまずまずでした。シカゴ・リリックで初めて生の舞台に接してから今回でまだ3回目ですから、感想もなかなかまとまりません。キャストのなかで注目したのはさすらい人のTomasz Koniecznyトマス・コニエチュニー 。なんと4月の東京で「ラインの黄金」のアルベルヒを歌って、MIXIの日記でベタ褒めしたバスバリトンだったのです。彼、第一幕で槍を忘れて出て行ったのですが、間もなく取りに戻ってきたのですが、悠々としたその態度はまるで、失態でなくお芝居の一部のような、それでいて愛すべきキャラクターをチラリと見せて。。。参りました(笑)。ジークフリードのステファン・グールドは私は初めてでしたが、写真からは想像できない肥満体。詰め物でもしていたのでしょうか?ジークフリードは肉親の愛を知らずに粗野に育った若者です。ブリュンヒルデに逢って愛を知るあの30分にわたる歌に集約していくドラマ。歌いきることは大変なこととは思いますが、見かけだけでなく歌唱もCDや放送で聴いたほどではなかったような気がしました。お目当てのステンメは相変わらず声量、技術とも、抜きんでた存在です。1年ぶりに海外遠征の日程に上手くはまって良かったです。素晴らしい音楽に接した幸せを噛みしめながら、帰る夜道。セセッションの黄金の屋根にお月様。

DSCF2113.JPG

 個人旅行は初めての友人。こんなにゆったりした日程でも、もうウィーンは終わっちゃうのねと淋しそう・・・そして、まだ買いたいものがあったというのです。(爆)


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コメント 4

cachaca

ご無沙汰している間にヨーロッパにいらっしゃってたんですね。また楽しい旅行記を読ませていただきます。

>ウィーンの森に遠出してシトー派の修道院を
もしかしてハイリゲンクロイツのことですか。私は2011年にウィーン3ヶ月ロングステイした時に行きましたが、修道院自体は開けた場所にあるので冬でも全然問題なかったですよ。ミーハーなシトー派好きで(^^)行っただけですが、よかったらリンクをご覧下さい。
http://kokusai-semiretire.blogzine.jp/blog/2011/03/post_7d1e.html
by cachaca (2014-07-04 12:37) 

alice

cachacaさま、こんにちは!こちらこそご無沙汰しています。
ハイリゲンクロイツに行かれてたのですね~。早速拝見させていただきました。踊る骸骨のろうそく立っていうのも観たかったです。ダンスマカーブルですかね。バス停で嵐でもなったらと躊躇してしまって(自分だけなら行ったのですが)・・・無理して行っても、大丈夫そうなところでしたね。残念。

今夏のロングスティも素晴らしいプランですね~♪。SABLE-SUR-SARTHEのバロック祭も、羨ましいです。28日のパーセルは二ケの指揮ですし、お勧めです。
by alice (2014-07-04 13:43) 

さくら

ウイーンでお連れと乾杯!でまずは一安心です。
まだまだ旅は始まったばかり、25キロからスタートの荷物はこの先いかに(笑)
ウイーンで「ジークフリート」聞かれたんですね。ステンメと春祭に続いてトマス・コニエチュニー。素晴らしい!
by さくら (2014-07-04 23:54) 

alice

さくらさま、今夜はお疲れ様でした。ネタバレしちゃいましたが、聞き流してくださいませ(汗)。
8月のザルツ、もう少しですね。行かれる前にベルギービールで一杯やりますか~。落ち着かれたらご連絡くださいませ。←私信で失礼しました。
by alice (2014-07-05 23:07) 

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