十一面観音巡りの旅(26)京都~東京 [2015早春東京と京都(東福寺・平等院)]
3/4(水)
午後の新幹線で東京に戻りますので、その前に東福寺の初訪問を果たしました。旅の前に京都の観光情報をチェックしたところ、「京の冬の旅 非公開文化財特別公開」が開催中とのこと。リストに東福寺の龍吟庵が見学可とあったので、即決(笑)。ホテルをチェックアウトして荷物を預け、京都駅からバスで東福寺に向かいました。一応バス停からの道順はGoogle earthで確認済みだったのですが、バスを降りてから案内板も見当たらず、少し迷いました。迷ったついでに同じ東福寺の塔頭寺院である勝林寺のほうを先に見学しました。
☆東福寺/勝林寺
勝運、財運の御利益で知られている東福寺の塔頭寺院。1550年に東福寺の住持によって創建。「京の冬の旅6年ぶりの公開」になっていた本尊の「毘沙門天立像」は平安時代の仏師定朝作と伝わる一木造の像。脇侍の「吉祥天像」や「童子像」とともに堂内奥深いところに安置されていました。
↓本堂
↓毘沙門天立像 江戸時代に東福寺仏殿の天井内で発見されたもの。左手に宝塔、右手に三叉戟を持った忿怒相。割合近くで観ることができました。迫力満点!
↓ 両脇に脇侍の「吉祥天像」と「善膩師童子ぜんにしどうじ像」が控えています。
↓住職の若奥さまにご朱印を戴いて
↓ 東福寺の広大な境内を歩き、ようやく・・・
↓駐車場の脇に東福寺の看板。その右手に屋根つきの小さな橋(臥雲橋)。
↓三ノ橋川に架かる臥雲橋の上から大きな伽藍が見えてきました。回廊に人の姿・・・
↓ 今渡った小橋を振り返りながら、まだまだ歩きます。
↓ようやく東福寺の日下門に辿り着きました。
☆東福寺
鎌倉時代の前期1236年に九条道家が発願し、聖一国師が開山した臨済宗の寺院。仏殿以下の造営に長期間費やしたのですが、鎌倉末期に焼失。南北朝時代を通じて再建されました。京都五山の一つ。境内には南北朝から室町時代初期の建物が残っています。
先ほど見えた回廊は通天橋といい有料です。拝観受付して早速行ってみました。
↓ 広大な庭園を見下ろしながら木造の長い橋を歩きました。秋の紅葉の時季にはここは人数制限になるほどの人気だそうで、朝6時にはここに並ばなければならないとか・・・
↓ 突き当りに開山堂。文字通り開山に力を尽くした聖一国師を祀っています。内部は見学不可。
↓ 江戸中期の名園も
名園と言えば今回特別公開される重森三玲作の庭園は何処?案内図を頼りにまずは龍吟庵を目指しました。三ノ橋川の上流に架かる「偃月橋えんげつきょう」を渡り
↓龍吟庵の表門。方丈は国宝。室町時代初期の作で日本最古の方丈建築です。
昭和の天才作庭家として知られる重森三玲(1896~1975)の手による名園を龍吟庵~方丈庭園と巡りました。
↓龍吟庵方丈の西庭「龍の庭」/寺名の「龍吟庵」にちなみ龍が海中から黒雲を得て昇天する姿を石組によって表現。
↓東庭「不離の庭」/方丈と庫裡を結ぶ渡り廊下に面した長方形の庭園。赤砂が美しい。
南庭「無の庭」は一木一草も用いない簡素な白砂敷き。写真はありません。
次は東福寺方丈の拝観受付に戻り、同じく重森三玲の「八相の庭」のうち
↓東庭の北斗七星の庭
↓南庭/古来中国の仙人が住み、仙薬財宝があると信じられた四仙島をテーマに枯山水庭園として表現。
↓北庭/ウマスギ苔と敷石の市松模様がモダンなモンドリアン風の庭。
西庭は通過してしまったようで、記憶も写真もありません。さつきの刈込と砂地と葛石の大きな市松模様の庭だそうですが・・・。
↓ 大仏さまには参拝できませんでしたが、ご朱印だけいただきました。
庭園の見学も終わり外に出ると、広大な境内は観光客も数えるほど、ひっそりしていました。国宝の三門も遠くから眺めただけで、そろそろ時間切れ。門前からタクシーでホテルに戻り、荷物を受け取り京都駅。そして新幹線で東京に向かいました。
今夜の宿は昨年12月にオープンしたミレニアム三井ガーデンホテル(3泊)。歌舞伎座と三越の中間という素晴らしい立地。おまけにオープン記念のサービス価格で泊まれました。通常の2割引きくらいで、許容範囲ぎりぎり…なので、今後泊まることは無さそうです。洗面所が部屋の中にあり、初めは戸惑いましたが。ちょこちょこ手を洗ったり鏡を見たりするのに意外に便利。それにその分バスルームが広く、洗い場付きの日本式お風呂。トイレはもちろん別と使い心地がとても良かったです。
夕方のコンサートまでくつろいで、ホテルライフを楽しみました。
♪ フィルハーモニア・オーケストラ/エサ-ペッカ・サロネン指揮@サントリーホール
シベリウス:「トゥオネラの白鳥」/ 「レンミンカイネン組曲」Op.22より2曲
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲二長調Op.77 (Vn ヒラリー・ハーン」
シベリウス:交響曲台番変ホ長調Op.82
好きなオーケストラ、指揮者、ソリストと3拍子揃った演奏会は地方に住んでいますので、なかなかお目(お耳)にかかれません。今回は横浜のバロックオペラも加えて、音楽でも充実した日々を過ごせました。この夜の演奏もプログラムが進むにつれて、音楽に心奪われ、別世界に連れて行かれる感じになりました。サロネンのシベリウスは最高です~。北国に生まれ育った人の底に流れる感性に作曲者と演奏者とが共鳴するような。言葉では説明できかねますが。ハーンも一段と巧さが増したようで、華麗なブラームス。次回聴けるのはいつになるのでしょう。ハーンが札幌に来てくれることは望み薄ですが・・・。アンコールはバッハ無伴奏からとシベリウス「悲しみのワルツ」でロマンティックに締めくくりました。
札幌の友人と近くの中華レストランで夜食を共にして、それぞれの宿泊先に戻りました。
重森三玲、という作庭家、これまで知りませんでしたが、先日 NHKの日曜美術館でとりあげられていました。
東福寺のお庭、すばらしいですね。京都の重森三玲庭園美術館もとりあげられていました。
それにしても 龍吟庵が丁度開いているときだったとはラッキーでしたね。
仏像は苦手ですが お庭は好きです。いつか行ってみようと思います。
私はツアー頼みなので、今期は次々ふられています。来月、平戸、外海に行く予定です(これもツアー)
by yk (2015-05-25 22:20)
ykさま、私も重森三玲さんのお庭を本格的に観に行ったのは今回が初めてです。もう10年以上も前に朝日カルチャー教室で日本美術の講座があり、そのとき初めて教わりました。たしかお名前の三玲はバルビゾン派のミレイにちなんで改名されたとか。京都の重森三玲庭園美術館もぜひ訪れてみたいです。
今回の冬の京都特別拝観シーズンは観光客も少なく、なかなか楽しめました。毎年あるようなので(内容は変わるかもですが)、ねらい目ですね。
>来月、平戸、外海に行く予定です
実は5月ゴールデンウィーク明けに私もツアーですが行ってきました。五島列島に比べて、坂や階段などが多くてしんどかったです。ブログは遅れそうですが・・・。
by alice (2015-05-27 14:19)
エサ=ペッカ・サロネンに決定.... サンフランシスコ交響楽団の次の音楽監督....
http://www.sfcv.org/music-news/san-francisco-symphony-announces-new-music-director-and-eight-creative-advisors
by サンフランシスコ人 (2018-12-20 02:12)
サンフランシスコ人さま、お知らせありがとうございます。サロネンのHPにも載っていました。サンフランシスコにお住いのクラシックファンもお喜びでしょう!今後のスケジュールチェックしたのですが、フィラデルフィアやシカゴなどアメリカで指揮することが多いようですね。
by alice (2018-12-21 17:51)
「サンフランシスコにお住いのクラシックファンもお喜びでしょう!」
(サンフランシスコでの)サンフランシスコ響の演奏会には、米国以外からのお客が沢山います...
「フィラデルフィアやシカゴなどアメリカで指揮することが多いよう...」
オットー・クレンペラーと違い、アメリカ文化が大好きみたいです...
by サンフランシスコ人 (2019-01-07 04:04)