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(2)バーデン・バーデン [2016春ドイツ音楽祭の旅]

3/25(金)

 昨夜は睡眠導入剤を半分飲み就寝。熟睡できて爽やかな目覚めと言いたいけれど、あいにくの雨の朝。今夜のオペラまで何処へ行ったらいいかしら・・・2泊という短い滞在なので、昨年のようにラインラント・ロマネスク巡りの余裕もありませんし。しかし朝食室で昨年も同宿だった方にお会いして、情報を得ることができました。クアハウスでの室内楽コンサートがあることを教えていただいたのです。当日券も多分あるでしょうとのこと。10時過ぎにホテルの前からバスに乗って(徒歩でも15分くらい)クアハウスの近くで降車。

↓冷たい雨の降るバーデン・バーデンの街。人影もなくひっそり。

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↓クアハウスが見えてきました

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↓まだ開演の30分以上も前ですが、入り口の扉が開いていてほっ。

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↓そして、ラッキーなことに当日券25ユーロをゲットできました。おまけに最前列ほぼ中央。ここでプログラムをいただいて初めて、コンサートの内容が分かりました。BPhのメンバーによるScharoun ensembleの演奏です。旅の前にイースター音楽祭のHPをチェックしたはずなのですが、見逃していたようです。

クアハウスにはカジノもあり、そちらのゴージャスなレセプションなど覗いたりしているうちに、人が集まってきました。

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 コンサートの会場は300席くらいの小さなホールで。ワーグナーとリストの歌曲を中心に フルートのエマニュエル・パユやオーボエのジョナサン・ケリーたち、素敵な演奏でした。ソプラノのSophie Klußmannの独唱でワーグナーの「wesendonch-Liederヴェーゼンドンク歌曲集」が秀逸。しみじみと胸打たれる愛の歌。今夜の『トリスタンとイゾルデ』の前に聴けて良かったです。最後はハープのMarie-Pierre langlamentと弦楽カルテットによるリストの「Am Grabe Richard Wagners」という小品。心憎いばかりの選曲でした。

↓演奏に使われた美しいハープ

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 ランチは毎年イースター音楽祭に来られているバーデン・バーデン通の同宿の方に案内していただいて、Cafe Konigへ。人気店でかなり混んでいましたが、BPhの若きチェロ奏者のBruno Delepelaireも来店。彼は1989年パリ生まれのフランス人。ベルリン・フィルの広報に寄りますと1st Principal Cello にこの若さで抜擢されたそうです。

http://www.berliner-philharmoniker.de/en/orchestra/musician/bruno-delepelaire/

食事は撮り忘れましたが、ドイツの白ワインにジャガイモたっぷりのソーセージ、生クリーム添えのコーヒー。ここのカフェはケーキでも有名です。デザートはお腹がいっぱいで食べられなかったので、帰りに1個ずつ買って、お持ち帰り。雨はまだやみませんがオース川沿いをのんびり歩いてホテルに戻りました。寒い日でしたがレンギョウや木蓮、杏(桃?)の花もすでに咲いていました。

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 部屋で休憩後、着替えてホテルを出るとき入口で東京のオペラのお仲間に遭遇!同じ日程だったのですね~。一人旅では知ってる方にお会いできると、本当に嬉しいものです。

 ♪~ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』@バーデン・バーデン祝祭劇場18:00~

Sir Simon Rattle Musical direction

  • Mariusz Treliński Production
  • Boris Kudlička Stage design
  • Marek Adamski Costumes
  • Bartek Macias Video
  • Marc Heinz Light
  • Tomasz Wygoda Choreography
  • Piotr Gruszczyński Dramaturgy
  • Adam Radecki Dramaturgy
  • Berliner Philharmoniker                                          
  • Eva-Maria Westbroek Isolde
  • Stuart Skelton Tristan
  • Sarah Connolly Brangäne
  • Stephen Milling King Marke
  • Michael Nagy Kurwenal
  • Roman Sadnik Melot
  • Thomas Ebenstein A young sailor / A shepherd
  • Philharmonia Chor Wien
  •  席は最前列左寄りでした。舞台はグレイっぽい地味な色彩で暗く、最前列で観ても目を凝らすようにしなければ、細かいところが確認できません。1幕めは船の艦内風景、何層かに分かれ、左側が階段で結ばれています。中央がイゾルデの部屋。上階がトリスタンの艦長室。中央の垂れ幕マッピングは羅針盤。船の航行が序曲とともに進みます。ラトルとBPhの演奏も言葉を失うほど素晴らしくて、昨年の薔薇の騎士よりは期待していましたが、それ以上でした。ただ第一幕のスケールの大きな圧巻の演奏に比べると2,3幕はやや抑制をきかせていたようにも感じられました。舞台の細かい装置など、プログラムも買い忘れ、思い出せないことも多いのですが、トリスタンの臨終まじか、子供の黙役を使って、幼いころからの孤独な心情を表して涙でした。歌手ではWestbroekがあまり女々しくないイゾルデの一面を聴かせてくれて、素晴らしかったです。トリスタンのSkeltonは初めて聴きましたが・・・歌唱は水準以上ではあるものの芝居は下手、容姿もコワイのは正直困りました。過去のこの演目の履歴からみても、理想のトリスタンに接することはかなり難しそうです(半分諦め状態)。ブランゲーネのConnollyは過去に何度か聴いた藤村実穂子には及ばず、ワーグナーに合っていないような気がしました。それでも全般に斬新で印象的な『トリスタンとイゾルデ』を観ることができ満足。興奮冷めやらず劇場を後にしました。ひとつ残念なことに私の隣席の男性がしょっちゅう体を動かすので、大層迷惑しました。これなら居眠りしてくれた方が益し。カメラもホテルの部屋に置き忘れたので、写真がありません。 夜食にカフェで買ってきたケーキをいただいて、明日は早朝出発なのでベットへ。           


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