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(5-2&6.7)ベルリン&帰国 [2016春ドイツ音楽祭の旅]

3/28(日)~続きです

♪~ワーグナー『Parsifalパルジファル』@シラー劇場  17:00~

Musikalische Leitung
Daniel Barenboim

Inszenierung
Dmitri Tcherniakov

Amfortas
Wolfgang Koch

Gurnemanz
Rene Pape

Parsifal
Andreas Schager

Klingsor
Tomas Tomasson

Kundry
Waltraud Meier

Titurel
Matthias Holle

STAATSKAPELLE BERLIN

STAATSOPERNCHOR

KONZERTCHOR DER STAATSOPER BERLIN?

 復活祭の時期にヨーロッパでは『パルジファル』があちこちで上演されますが、イースター時期に『パルジファル』を観たのは2003年のウィーンが初めて、あれから13年も経ちました。最近は東京の新国立で鑑賞。ワーグナーの楽劇の中でも「舞台神聖祭典劇」と呼ばれている宗教色の濃いオペラです。ですがワーグナーが最後に行き着いた救済をテーマにした深い音楽性には心打たれます。静まり返った場内に前奏曲が流れ、日常から切り離された感覚でこの劇の世界に入っていきます。第一幕は中世の教会が舞台ですが、グルマンツ(パーぺ)の低音が重々しくも快調に響き、さらに引き込まれました。背景は中世の教会(遺構)でも現代に置き換えられています。クンドリ(マイヤー)もトレンチコート、パルジファル(シャーガー)もヒッチハイク風にパーカーにバックパックの若者スタイルです。バレンボエムの指揮のワーグナーは3年前のロンドン以来ですが、あのとき『神々の黄昏』でフレッシュなジークフリード役をこなしたシャーガーはさらに進歩して、素晴らしいパルジファルです!あの細身の彼から発散されるエネルギーがパルジファル的清らかさと強さに結びついた様は私だけでなく、観客みんなを幸せな気持ちにしたに違いありません。アンフォルタスの苦悩も身に沁みるように歌われ、「同情」の心はすべての人にいきわたるような演奏です。第二幕のクリングゾールの魔法の城は花の娘たち(幼い娘たちも多い)の華やかな衣装が白い壁面の室内にまぶしいほど。誘惑の動機と娘たちの輪舞、クンドリの蠱惑的な動機と繰り出される劇的な場面です。終幕でパルジファルは槍を得、魔法の城は崩れます。第三幕は帰還から洗礼を受けるパルジファル、美しい旋律の聖金曜日の音楽の奏される中で、クンドリに洗礼を与えます。この場面は心まで洗われるようなオーボエの演奏です。ティトゥテルの葬祭の暗い行進曲とアルフォンタスの悲嘆と苦痛へ音楽は劇的に変わります。そして、ついにパルジファルが現れ傷をいやし、高らかに信仰への賛美で終わります。復習を兼ねていつもより解説風になってしまいましたが、CDを聴きながら大好きな『パルジファル』の素晴らしい舞台を思い出しています。

↓大喝采を受けたシャーガー

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↓クンドリはこの公演が最後だったマイヤー。総裁のフリムさんから花の冠を贈られて感激の面持ち。たくさんたくさんの拍手を受けました。

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 チェルニアコフTcherniaovのこの演出は好評で2015年に続き、2016年、来年2017年もフェストターゲに上演されます。クンドリはAnna larssonに代わりますが他はほぼ同じキャストです。すでにHPにプログラムがアップされています。

この公演が最後でしたが、シャーガーはこの後東京に飛んで、4/7と4/10の『ジークフリード』(春の音楽祭)に出演されたそうです。日本でも評判は上々で一挙にファンが増えたみたいです。

 2回の休憩をはさんで5時間近くかかりました。さすがに疲れて寄り道なしでホテルに戻り、お湯をいただいてカップラーメンの夜食。

↓シラー劇場

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3/29(火)

ベルリンTGL 12:45→パリCDG 14:30/20:30→

↓3泊したベルリンのホテル

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 早くも帰国の日になりました。物足りない想いは当然ありますが、なによりも留守中の夫の具合に変化がなく、比較的元気な声を電話で聴いて、一安心。朝はゆっくり起床、朝ごはんをいただいて10時過ぎにタクシーでテーゲル空港へ。エールフランスのゲートはずいぶん奥のプレハブみたいな粗末なターミナルにあります。自動チェックインのときパリからの帰国便の座席が予約した座席より若い数字のような気がしたのですが・・・。チェックインカウンターは座るところも少なく、復活祭の休暇明けで混雑しています。こんなところでテロでもあったらと思わずキョロキョロ。目つきも悪くなります。当初の予定ではパリの待ち時間の間にサンリスを訪問するつもりでしたが、CDGに着いたら、お土産も買わなきゃと思ったりして億劫になりました。マカロンやチョコ、紅茶などのショッピングの後はi padでゲームをしたり遊んで過ごしました。

 さて、搭乗の時間になり席を探しましたら、ベルリンでもらった番号の席はプレミアエコノミーになっています。FAさんのお話では今日はエコノミーが満席なので、アップグレードにしてくれたそう…ラッキー!席は昔のビジネスに近く、座席の背を倒さなくてもするすると前に伸びるので、ある程度は楽になり、疲れもあって良く眠れました。食事もエコノミーにプラスアルファーもあり、おやつの袋もいただけました。今回JALに支払った料金は札幌発着(ベルリン→パリ間も含めて)126040円でしたから、JALは高いけれど得した気分になって、現金なものです。

3/30(水)

→東京HND 15:25/17:30→札幌CTS 19:00

 羽田乗り換えも初めてでした。時間的にも短縮され、スムーズに札幌の自宅に戻りました。短い旅でしたからブログもサクサク進むはずでしたが、5月末からの夫の入院などで落ち着かず、大層遅れてしまいました。7月中旬の夏のエクサンプロヴァンスもキャンセルし、意気消沈していましたが、なんとか気をとりなおしました。夫も40日間の入院からおかげさまで、家に戻れました。これからは家族の時間を大事に、断捨離もしつつのんびり暮らしてまいります。みなさまもどうぞお元気で~(^^♪

 

 

 

 

 


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(5-1)ベルリン [2016春ドイツ音楽祭の旅]

3/28(月)

 このホテルで一番良かったのは朝食が☆☆☆の宿にしては抜群に美味しかったことです。私の場合は宿泊代に含まれていたのですが、別料金では18ユーロです。

↓昨日に続いて金色のウサギさんのプレゼント(イースターのチョコ)

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 今夜は長大なワーグナーのオペラ『パルジファル』の鑑賞ですから、日中は1か所に絞って絵画館だけの見学をしました。

↓今回の旅で何度も通ったZoo駅付近(バスから)。

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↓絵画館はイースター祝日なので11:00からオープンです。絵画館の前からフィルハーモニアの黄色い建物が見えます。

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↓そして後方は広大なテアガルテンTiergartenが控えている素晴らしい立地。ベルリンの魅力はいろいろありますが、テアガルテンもその一つ。この日はお天気が良くて、森のような公園を散策する市民や観光客が多く、本格的な春の訪れを満喫しているようでした。

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☆Gemäldegalerie絵画館

 この新しいギャラリーができる前はダーレムにありましたので、それを含めると3度目の訪問です。素晴らしいコレクションですが、その割にお客さんが少ないので、ゆったり気分で鑑賞できます。写真もフラッシュなしでOK。

↓イタリア絵画部門から、ボッティチェルリの「歌う天使たちを伴う聖母子」1477頃直径135cm。聖母の愁いを帯びた表情と背景のアイスブルーがただただ美しい。

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↓カルロ・クリヴェッリ「聖ペテロに鍵を与える聖母子」1488 191×196 これも部分撮りですが、ガラスが反射してしまいました。華やかな画面の中で、聖母の硬く蒼白の顔が印象的。イエスの悲劇の最後を暗示しています。

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↓アントニオ・デル・ポライウォーロ「若い婦人の横顔」1465~70頃 52.5×36.5

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↓カルパッチオ「キリストの墓の準備」1505頃 145×185 独特の要素を盛り込んで構成された、カルパッチオらしい画面。

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↓ジョヴァンニ・ベルリー二「キリストの復活」左と「2天使に支えられる死せるキリスト」右が並んでいました。

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↓スキアヴォーネ「玉座の聖母子」1456-60頃。カルロ・クリヴェッリと同じスクァルチオーネ工房で学んだ画家。共通するモチーフや下に工房の名とダルマティア出身であることが記されていますので、カルロがヴェネチアを逃れてダルマティアのザダールへ行ったのはスキアヴォーネの手引きがあったのではと推察されます。

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↓レンブラント「天使と戦うヤコブ」1659-60頃 140×120

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↓フランス・ハルス「マレ・バッペ」1629-30頃 75×64

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↓フランス・ハルツ「カタリーナ・ホーフトと乳母」1619-20頃 86×65

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↓ヴァトー「踊り」1719頃 97×166  下は笛を吹く少年をアップで。

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写真も数多く撮りましたので、アップしたいのですが、きりがありませんからこの辺で。絵画館には素描のコレクションも有名なのですが、疲れてしまってパス。バスで野の花の咲き始めたテアガルテンを眺めながらZoo駅に戻り、あとは徒歩でサビーニ・プラッツへ。遠回りになって30分くらい歩きました。広場の近くでランチ。前菜のアラカルトだけでお腹がいっぱいなり、ホテルに戻って午睡。

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続きます~


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(4)ベルリン [2016春ドイツ音楽祭の旅]

3/27(日)

 復活祭を迎えて、春らしい日和になりました。冬のオーバーコートも必要なくなり、春の軽いコートで2年ぶりのベルリンの街へ。Zoo駅からバスでアレクサンダー・プラッツの近くまで。

↓シュプレー川に架かる橋の向こうにテレビ塔

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↓テレビ塔のそばにザンクト・マリエン教会が見えてきました。

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 図書館から借りた小池寿子先生の著書『死の舞踏への旅』でベルリンにもその主題(独語でTotentanz)の壁画があることを知り、見学に来たのです。

↓St.Marien in Berlin(ベルリンのサンタ・マリア教会)は13世紀に創建、現在の建物は19世紀にプロテスタントの教会として改築、拡張されています。第二次大戦の終わりごろには塔と北壁に爆撃を受け壁画もダメージを受けたようです。こちらは南側面。

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 さて、目的のダンス・マカーブル(16世紀)は東塔の玄関廊にあります。ただそのコーナーはガラスでしきられています。500年の歳月を経たオリジナルの再生は難しいため、かなり剥落が進み、また全体を観ることは叶いませんでした。

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↓手前の壁にあるのをようやく撮りました。黒い帽子の二人の若い男の間に白い布をまとった骸骨が描かれています。

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↓第一次大戦後にリーフレットとしてコピーされたもの(部分)。王侯貴族、騎士、聖職者などの間に死の象徴である骸骨をはさんで、生きることは常に死と隣り合わせであると示しています。

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「死の舞踏」の壁画は中世末期には多く描かれたテーマですが、現存しているものは少なく、私も1998年に訪れたフランスのラ・シェーズ・デイユ修道院以来でした。このテーマは現代美術まで形を変えながらも、連綿として受け継がれてきました。2000年には上野の西洋美術館で特別展「死の舞踏 中世から現代まで」(デュッセルドルフ大学版画素描コレクションによる)が開催され、私もオペラ公演のついででしたが、訪れました。意欲的な展覧会でしたが、日本人には受けません。がら空きの展示室でのケーテ・コルビッツの作品が大層印象的でした。

↓教会内部には古い木彫の聖人像も。

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 川に沿って歩き、博物館島へ渡りました

↓回廊から見えてきたALTE NATIONAL GALERIE(旧ナショナル・ギャラリー)

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↓ぺルガモン博物館は大改修中。一部しかオープンしていないのに大行列!

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 今回はシリア北部のハラフ遺跡から出土した浮彫など観るつもりでしたが、改修中ではたとえ入館でしても観られるかどうか・・・諦めました。工事の計画看板には全面完成予定2019となっていました。

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↓NEUES MUSEUM新博物館の裏(川のほう)側面に残された第二次大戦の爆撃跡(斜め撮り)

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 ペルガモン博物館から近くのボーデ美術館に寄りました。2年前に続いて3度目の訪問です。ビザンティンからのキリスト教美術(彫刻)ではかなり水準の高いコレクションなので、何度来ても楽しめます。展示も一部変わるようです。

↓エジプトの初期キリスト教(コプト教)のセクションから、鷲と祭壇の墓碑

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↓アンク形の十字架を刻んだ墓碑

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↓オランスのポーズをとる人物たち、初期キリスト教徒の素朴な墓碑。

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↓中世部門の浮彫「カインとアベル」

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↓この部屋は初めて?ロマネスク期の獅子像(柱の基部)

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↓最後にリーメン・シュナイダーの書記者像(聖ヨハネ?)にさよならして退出

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 Unter den Lindenの大通りからバスに乗ってPotsdamer広場まで。2年前に泊まったホテル裏側のモール内でランチ。ラーメンが食べたくなったのが災いの元、二階バルコンのカジュアルな中華屋さんだったのですが…不味くてほとんど残しました(涙)。お目当てのお惣菜屋さんもイースターでお休み。今日はついてない。。。とぼやきながらZOO駅の近くのカイザー・ヴィルヘルム記念教会へ。ここは初めて中に入って見学しました。(内部は写真禁止)

Kaiser-Wilhelm-Gedächtniskircheカイザー・ヴィルヘルム記念教会は19世紀にネオ・ロマネスク様式で建立。第二次大戦時の爆撃で損傷しましたが、戦争の悲惨さを伝えるため保存されています。ただ最近は大規模な保存改修があったもようで、初めて近くを通った時の黒っぽく崩れそうだった姿に比べると壁面は化粧されたかのよう、ずいぶん変わっていました。隣接してモダンな教会が建設され、教会の機能は新しい方に移っています。

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  ここからZoo駅まで戻るのに方向を失い、ぐるぐる歩き…疲れました。今思えば朝からここまでほとんど街中の時計を見ていません。ホテルのレセプションにも寄らないで出入りできる構造になっていることもあり、それが大変な失態のもとになったのです。

 ホテルからシラー劇場まで徒歩で数分ですから、休息後のんびり劇場へ。ところが劇場の前はひっそり・・・な、な、なんで?入ってみると入口にいた係員が「もう開演して1時間たってるよ。今日から夏時間だから」と言うではありませんか!途中では入れませんし、今日の演目『オルフェオとエウリディーチェ』は1幕ものなので観られない~!!とほとんどパニック状態の私。TVで良かったらと案内された2階ホワイエ横のロビーへ。なんと!二人の同胞の先客が・・・。「日本のおばさんたちにも困ったもんだ」と思われたことでしょう(大汗)。私とは同年輩の方たちは二人で地下鉄に乗って来られたそうで、地下鉄の時計を見て変?とは思ったらしいのですが、気がついたとしてもすでに手遅れでしたでしょう。連れのいない私はなおさらかと、ちょっぴり自分を慰めましたが。。。旅の2週間前まで、夫の状態で行けるかどうか決めかねていたので、やはり詰めが甘かったのです。TVでは物足りないこともあって、まったく悔恨の気分のままの視聴でした。でもメータの絶品のアリア「エウリディーチェを失って」は扉ひとつ向こう側で歌われている・・・それだけで感動でした。

そして、2時間余りの上演が終わりカーテン・コールには入れてもらいました。バレンボエムのグリックは珍しい?ですし、何よりも久しぶりにベジュン・メータの生の歌声と舞台を楽しみにしていましたから、とても残念でした。それでもブラボーの嵐を受けて、ガッツポーズのメータの姿に嬉しい私でした。

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♪~グリック『Orfeo ed Euridice オルフェオとエウリディーチェ』

Musikalische Leitung
Daniel Barenboim
Inszenierung
Jürgen Flimm

Orfeo
Bejun Mehta

Euridice
Anna Prohaska

Amor
Nadine Sierra 

↓プログラム

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 このまま暗い気持ちを抱えて帰るのも淋しいなと劇場の傍の賑やかな居酒屋さんにふらふらと入ってしまいました。サービスの女性が親切な方で、相席で良かったらと案内してくれて、地名は聞き取れませんでしたが、ドイツの南西の地方からオペラ観劇で見えていたシニアのご夫婦とご一緒させていただきました。彼らはこの夜はドイッチェ・オパーのほうで『タンホイザー』を聴いてきたそうで、素晴らしかったと頬を染める素朴な方たち。そこへ今夜のエウリディーチェを歌ったプロハスカが入ってきて、拍手がわきました。笑顔で私にも応えてくれて感激!実際は聴いてませんでしたが、聴いたふり(笑)、毛糸の帽子にトレンチコート、飾らないキュートなプロハスカでした。このお店は美味しいビールにブッフェのおつまみなどで10ユーロって安い!いつのまにか傷心の私は吹っ飛んで、ご機嫌で宿に戻りました。


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(3)バーデン・バーデン~ベルリン [2016春ドイツ音楽祭の旅]

3/26(土)Baden-Baden7:41→BerlinHbf13:28

 朝食もレセプションも7時からです。食事はする暇がないので車内でいただくようにサンドイッチを作っていたら、包んでくれて、スーツケースも入口が階段なので運んでくれて親切です。昨年に続いて2度目の宿泊でしたが、建物は古いしシャワーだけですが、朝食は美味しいし、バス停も目の前で便利です。

↓ホテルとバス停

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↓バス停から見た朝のFESTSPIELHAUS祝祭劇場

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 バーデン・バーデン駅からベルリンまでは乗り換えなしの特急で。事前にDBのネットで購入した割引切符は1等座席指定で53.5€(ノーマル料金では142€)でした。MAPでお分かりのようにフランス国境からも近いドイツの南西からほぼドイツ国内を横断して北東のベルリンまでの5時間半以上の大移動です。勿論飛行機での移動も考えましたが、適当な国内線がなく、早朝に出発しなければならないのは列車と同じ。ということで午後4時からのリサイタルにも間に合うのでこの列車移動にしました。費用も航空券の半分以下でした。イースター休暇で車内はほぼ満席でした。検札も中近東系の人たちには厳しかったようですが、普通はプリントアウトしてきたバーコード入りの紙や携帯に保存したものをチェックするだけです。レストランカーからの注文取りも来てくれたので、コーヒーをお願いして車内ブランチ。本を読んだり、i Padのゲームをしたり、ぼんやり窓外の風景を眺めているうちにほとんど遅れもなく、無事ベルリン中央駅に到着しました。駅からはタクシーでシラー劇場の近くのホテルへ。バスタブなしですが広くて簡素な部屋。朝食が抜群に美味しかったのは花丸ですが、エレベーターが階の中間にあるタイプなので半階といえども、スーツケースを運ぶのは腰痛になりやすい私には×。

ベルリン/Hotel Otto3泊(1泊朝食付き114€)

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 着替えをしてハーモニーへ。近くのバス停からZOO駅で乗り換え30分で着くはずでしたが、200番のバスがなかなか来ないため、タクシーに切り替え。それにも手間取って会場に着いたのは開演5分前の滑り込み!

↓開演前

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♪~DUO RICITAL (Festtage 2016) Martha Argerich Daniel Barenboim

前半は Robert Schuman/ Six Studies in Canonic Form op.56(カノン形式による6つの練習曲)2台のピアノのためにドビッシーが編曲&Claude Debussy/En blanc et noir Two pianos、後半はBela Bartok/Sonata for Ywo Pianos and Percussion それぞれが名ピアニストとしても知られていますが、アルゼンチン時代からの幼馴染とあって、何度かの共演や録音もあり息もぴったり。溌剌とした鮮やかな演奏にブラボーの嵐。アンコールも何曲か演奏され、そのたびに仲良く手を握りあって登場。まるで長年連れ添った夫婦のような微笑ましさ。ただ、アルゲリッチの老いた上品さの漂う優しい微笑みにくらべるとまだまだ血気盛んなバレンボイムは気も短くて、譜面係の若い男性を譜面をめくるタイミングが悪いのか怒ったり、ついには突き飛ばす場面もあってはらはら。

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 帰途はスムーズにZoo駅まで戻り、後は徒歩で1Kほどの道をホテルへ戻りました。夕食はホテルの向かい側にあるBelmondoというフレンチの店で。スープやアボカド風味のタルタル、グラスワイン、エビアン、エスプレッソ、チップ込みで45€。味は満席の人気店にしては?でしたが・・・。ホテルのある通りはカフェやレストランの多い便利なところですが、美味しいお店は少ないようです。


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(2)バーデン・バーデン [2016春ドイツ音楽祭の旅]

3/25(金)

 昨夜は睡眠導入剤を半分飲み就寝。熟睡できて爽やかな目覚めと言いたいけれど、あいにくの雨の朝。今夜のオペラまで何処へ行ったらいいかしら・・・2泊という短い滞在なので、昨年のようにラインラント・ロマネスク巡りの余裕もありませんし。しかし朝食室で昨年も同宿だった方にお会いして、情報を得ることができました。クアハウスでの室内楽コンサートがあることを教えていただいたのです。当日券も多分あるでしょうとのこと。10時過ぎにホテルの前からバスに乗って(徒歩でも15分くらい)クアハウスの近くで降車。

↓冷たい雨の降るバーデン・バーデンの街。人影もなくひっそり。

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↓クアハウスが見えてきました

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↓まだ開演の30分以上も前ですが、入り口の扉が開いていてほっ。

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↓そして、ラッキーなことに当日券25ユーロをゲットできました。おまけに最前列ほぼ中央。ここでプログラムをいただいて初めて、コンサートの内容が分かりました。BPhのメンバーによるScharoun ensembleの演奏です。旅の前にイースター音楽祭のHPをチェックしたはずなのですが、見逃していたようです。

クアハウスにはカジノもあり、そちらのゴージャスなレセプションなど覗いたりしているうちに、人が集まってきました。

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 コンサートの会場は300席くらいの小さなホールで。ワーグナーとリストの歌曲を中心に フルートのエマニュエル・パユやオーボエのジョナサン・ケリーたち、素敵な演奏でした。ソプラノのSophie Klußmannの独唱でワーグナーの「wesendonch-Liederヴェーゼンドンク歌曲集」が秀逸。しみじみと胸打たれる愛の歌。今夜の『トリスタンとイゾルデ』の前に聴けて良かったです。最後はハープのMarie-Pierre langlamentと弦楽カルテットによるリストの「Am Grabe Richard Wagners」という小品。心憎いばかりの選曲でした。

↓演奏に使われた美しいハープ

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 ランチは毎年イースター音楽祭に来られているバーデン・バーデン通の同宿の方に案内していただいて、Cafe Konigへ。人気店でかなり混んでいましたが、BPhの若きチェロ奏者のBruno Delepelaireも来店。彼は1989年パリ生まれのフランス人。ベルリン・フィルの広報に寄りますと1st Principal Cello にこの若さで抜擢されたそうです。

http://www.berliner-philharmoniker.de/en/orchestra/musician/bruno-delepelaire/

食事は撮り忘れましたが、ドイツの白ワインにジャガイモたっぷりのソーセージ、生クリーム添えのコーヒー。ここのカフェはケーキでも有名です。デザートはお腹がいっぱいで食べられなかったので、帰りに1個ずつ買って、お持ち帰り。雨はまだやみませんがオース川沿いをのんびり歩いてホテルに戻りました。寒い日でしたがレンギョウや木蓮、杏(桃?)の花もすでに咲いていました。

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 部屋で休憩後、着替えてホテルを出るとき入口で東京のオペラのお仲間に遭遇!同じ日程だったのですね~。一人旅では知ってる方にお会いできると、本当に嬉しいものです。

 ♪~ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』@バーデン・バーデン祝祭劇場18:00~

Sir Simon Rattle Musical direction

  • Mariusz Treliński Production
  • Boris Kudlička Stage design
  • Marek Adamski Costumes
  • Bartek Macias Video
  • Marc Heinz Light
  • Tomasz Wygoda Choreography
  • Piotr Gruszczyński Dramaturgy
  • Adam Radecki Dramaturgy
  • Berliner Philharmoniker                                          
  • Eva-Maria Westbroek Isolde
  • Stuart Skelton Tristan
  • Sarah Connolly Brangäne
  • Stephen Milling King Marke
  • Michael Nagy Kurwenal
  • Roman Sadnik Melot
  • Thomas Ebenstein A young sailor / A shepherd
  • Philharmonia Chor Wien
  •  席は最前列左寄りでした。舞台はグレイっぽい地味な色彩で暗く、最前列で観ても目を凝らすようにしなければ、細かいところが確認できません。1幕めは船の艦内風景、何層かに分かれ、左側が階段で結ばれています。中央がイゾルデの部屋。上階がトリスタンの艦長室。中央の垂れ幕マッピングは羅針盤。船の航行が序曲とともに進みます。ラトルとBPhの演奏も言葉を失うほど素晴らしくて、昨年の薔薇の騎士よりは期待していましたが、それ以上でした。ただ第一幕のスケールの大きな圧巻の演奏に比べると2,3幕はやや抑制をきかせていたようにも感じられました。舞台の細かい装置など、プログラムも買い忘れ、思い出せないことも多いのですが、トリスタンの臨終まじか、子供の黙役を使って、幼いころからの孤独な心情を表して涙でした。歌手ではWestbroekがあまり女々しくないイゾルデの一面を聴かせてくれて、素晴らしかったです。トリスタンのSkeltonは初めて聴きましたが・・・歌唱は水準以上ではあるものの芝居は下手、容姿もコワイのは正直困りました。過去のこの演目の履歴からみても、理想のトリスタンに接することはかなり難しそうです(半分諦め状態)。ブランゲーネのConnollyは過去に何度か聴いた藤村実穂子には及ばず、ワーグナーに合っていないような気がしました。それでも全般に斬新で印象的な『トリスタンとイゾルデ』を観ることができ満足。興奮冷めやらず劇場を後にしました。ひとつ残念なことに私の隣席の男性がしょっちゅう体を動かすので、大層迷惑しました。これなら居眠りしてくれた方が益し。カメラもホテルの部屋に置き忘れたので、写真がありません。 夜食にカフェで買ってきたケーキをいただいて、明日は早朝出発なのでベットへ。           


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    (1)札幌~フランクフルト~バーデン・バーデン [2016春ドイツ音楽祭の旅]

     年々私たち夫婦は老化が進む一方なのですが、夫は特に持病があるのでいつ入院するかわかりません。私の最大の愉しみである海外旅行も次第に回数、日数とも制限せざるを得なくなりました。今回の旅は今までにない超短5泊7日の日程で、なんとか家人の許可を得ました。いっそやめようかとも考えましたが、自分は健康で出かけられるだけでも幸せと気持ちを切り替えました。私にとってはサバイバル?な短・安・近(ドイツ国内だけの意)の旅です。こういう一人旅は73歳になった私にできるものでしょうか?否一丁やってみましょうか?というチャレンジ精神だけが頼りで出発することになりました。地図は添付するほどのものではありませんが一応・・・。

    MAP

    日程(5泊7日)札幌→成田→フランクフルト→バーデン・バーデン(2)→ベルリン(3)→パリ→羽田→札幌

    3/24(木)札幌8:30→成田10:15/12:15→フランクフルト16:30/17:51→マンハイム乗り換え→バーデン・バーデン(1時間遅れ20:30頃)

     1週間の旅とはいえ中型のリモワのスーツケースと大き目のショルダー・バックの2個の持ち物で出発。3週間の旅の2/3はやはり持たざるを得ません。ただし、旅の途中で洗濯はほとんど必要はないように、おまけにまだドイツは寒いとのこで、軽めのオーバーコートも押し込めました。カメラはバックに入れても重くないような一眼カメラを新調。旅立つギリギリにネットで購入したので、当然使いこなすまでは行かなく、説明書をバックに入れ飛行機や電車の移動中に読むことにしました。

    ↓千歳空港行の電車から。今年は春が早いとはいえ、沿線はまだまだ雪の残る北海道。

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     成田行きの8:30というのがJAL 便ではなくて格安航空のジェット・スターと知ったのは千歳のターミナルに着いて、JALのカウンターに手続きに行ってからでした。朝食抜きでしたので、パンケーキとコーヒーでのんびりしてて、慌てました。ジェット・スターのカウンターは空港の隅にあり遠いのです。到着した成田の第3ターミナルも初めてでした。第2ターミナルまで歩いても10分とのことですが、バスに乗って移動。フランクフルトまでは久しぶりのエコノミークラスです。用心して圧力靴下や首枕、スリッパなど用意してきて万全です。しかし、数年の間にJALの長距離エコノミー席は改善されてました。座席の間隔も広く、隣席も2つ空いていましたので、横になることができてラッキーでした。食事も以前よりはましになりましたし、JALは頑張ってます。機内映画の写りも良く『クリード・チャンプを継ぐ男』を観たりして、ほぼ時間通りにフランクフルトに着きました。フランクフルト空港駅(DB)の長距離ターミナル↓から列車でバーデンバーデンへ。

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    マンハイムで乗り換えの列車が遅れて、駅構内のカフェでの軽食が夕ご飯になりました。ホテルに着いたのは9時過ぎになり、ホテルの向かいが祝祭劇場ですので、丁度コンサートが終わったところで広場は混雑していました。昨年と同じレセプションの女性がテキパキチェックインしてくれましたが、疲れました。

    Hotel am Festspielhaus Bayerischer hof 2泊/98.5×2(朝食税込)

    ↓ホテルのレセプションと朝食室

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