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2013夏の旅(2-1)チューリッヒ(ライヒェナウ島) [2013夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

7/9(火) ZurichBhf 8:37→Constanz9:54/10:22→Reichenau駅10:30/10:35→バスで島へ。帰途は島中央の美術館前15:03→Reichenau駅15:20→Singen15:56/16:06→Schaffhausen16:30/16:39→Zurich17:21

 ライヒェナウ島で、雨が降ったらとの心配も杞憂に終わりました。それよりもかなり暑く日差しも強烈なため、ハードな一日になりました。チューリッヒ中央駅まではトラム(3分から5分間隔)で15分くらいです(1ゾーンで2.6CHF)。中央駅の自動販売機ではConstanzはドイツ鉄道なので?表示されません。仕方なく行列に並び、窓口で購入しました。帰途は別のルートなので、片道31CHF(約3000円)の支払でした。乗り込んだ電車は空港駅も停まりますので、これから帰国される日本のシニア(60代)のご夫婦と相席になりました。2週間でスイスの山歩きを楽しまれたとか、日焼けされた笑顔も素敵な方たち。ご主人は現役時代はスイスに長期出張(しかもヴィンタートゥール!)されていたとかで、かの町の美術館の話もはずみましたが、空港駅まではあっという間、名残惜しい気持ちでお別れしました。

 コンスタンツは乗り換えだけで観光はできませんでしたが、名前からも想像できますが古都の趣を残した街のようです。でも駅のトイレがいろいろと×でした(詳しいことは割愛)ので、印象は悪いです。コンスタンツからライヒュナウ駅まではローカル電車で2.3€。このとき2.3CHFと間違えて安い~とつぶやきながらスイスフランを出して、笑われてしまいました。のどかな郊外沿線の小さな町や村を過ぎて、ライヒェナウ駅に到着。駅前にバス停があり、まもなくやって来たバスで島へ渡りました。

↓島へ通じる人工の並木道。自転車や徒歩の人用の道は右に見えます。

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島に渡ってすぐにザンクト・ゲオルグ(聖ジョージ教会)が見えました。うっかりふらふらと降りてしまいました。下調べしたはずなのですが、教会の入り口には下の張り紙が・・・。

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なんと!ガイドツアーでなければ内部に入れないのです。12:30まで2時間もあるので、島中央まで先に行こうかと思いつつ、暑くてまず冷たいものをと、近くのカフェでどっかり居座ってしまいました。

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 余った時間は周辺の散策。下は絵葉書ですが、ボーデン湖(コンスタンツ湖)の近くに建っています。

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↓ シンプルな外観をあちこちから撮影しました。方形の後陣。

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↓ 南側の墓地のほうから

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↓ 北側の湖のほうから

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 カフェの隣に小さな聖ジョージ美術館があり見学。壁画のコピー写真ですが、画像処理して展示。現在ははミュンヘンやバンベルグの図書館に収蔵されているライヒェナウ画派の写本のコピーもありました。

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  フランクフルト近くに在住されているファミリーと(日本からのおばあさまも)一緒に、ガイドツアーが始まるまでおしゃべり。ドイツ人の若いパパは日本語も堪能で、私に「ドイツ語は何処で覚えられました?」「えーっ!全然話せないんです」にはびっくりというかあきれたご様子でした。お子さんたちも可愛くて、カメラにおさめさせていただきました。

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 ガイドツアー(30分)が始まり、ようやく内部の見学ができました。説明がドイツ語ですから聴く耳もたずで、せっせと写真を撮りました。

☆ザンクト・ゲオルグ教会(聖ジョージ教会)

ライヒェナウ島の東端Oberzellと呼ばれる場所にカロリング朝時代の896年に開基され、完成は913年頃。ただ壁画を含めた完成時期は896年という異説もあります。その後オットー朝時代の10世紀末の改築が現在に至っているというのですが、詳しいことは明らかではありません。9~10世紀のカロリングまたはオットー朝に描かれたといわれる壁画が残っています。クリプタは見学不可。

↓ 明るい内部に壁面を埋めるフレスコ画。キリストの奇蹟譚が描かれています。多くはようやく判読できるかどうかという現状ですが、

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↓ 南壁のほうが良好

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↓ 南壁のようやく判読できたのは「ラザロの蘇生」

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 参考書『ドイツ中世美術Ⅰ』(岡野Heinrich 圭一著)によりますと「キリスト1人が一群の人々に対する構図が多く、身振り眼差しに特徴があり、場面全体に3次元的空間性の表現は目立たない。これは写本画と同様の特質」とのこと。オットー朝写本の中でも重要な位置を占めるライヒェナウ画派写本はまさしくこの島の修道院が拠点となって生み出されたものなのです。

 ↓ 11世紀に西アプシスに2階建ての西前ホールが増築。現在はこちら側が教会の入り口になっています。うっすらと残る壁画は「最後の審判」

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↓ この部分は後世に加筆されたものでしょう

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 気候が良ければ湖に沿って島の中央Mittelzellミッテルツェルの修道院まで2Kくらいなので、徒歩で行けると思っていたのですが、この猛暑では無理と判断して、近くのバス停から島内を45分間隔で運行しているバスで向かいました。バス停には日除けもなく、バスが来るまで20分間は炎天下で、幅広帽子とサングラスがなければ、歩かなくても熱中症になりそうでした。

続きます~。


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コメント 4

yk

ライヒェナウは とっても行きたいところ。 壁画は大分褪色しているようですね。まあ仕方がないといえば仕方がないですが。
岡野ハイリッヒ氏の『ドイツ中世美術』は私も持っています。いまのところドイツロマネスクであれ以上のものはないようですね。 著者もことわっていましたが、殆ど写真がないし、索引もないので使いにくいところもあるのですが。
 続きを 楽しみにしています。
by yk (2013-08-20 23:20) 

alice

ykさま、ライヒェナウは意外にも「地球の歩き方」にも載っていません。ボーデン湖に浮かぶ小島の中世の修道院が3つもある世界遺産というのにです。
行きかたなどは、実際に行かれた方のブログを拝見して、自分用に組み立てました。夕方からのオペラがなければ島内に泊まって、もっと余裕の見学ができたのですが・・・効率も悪く、残念な結果になってしまいました。
でも、こうしてあの島の情景を思い浮かべると、やはり無理してでも行って良かったです。
 参考文献ではライヒェナウ画派の傑作「バンベルグ黙示録」について『ロマネスク美術とその周辺』(辻佐保子著)に少しですが図像解説があります。
by alice (2013-08-21 10:37) 

びるね

ちょうどライヒェナウの修道士ヘルマヌス生誕1000年の時期に行かれたようで羨ましいです。

島には随分前に行きましたが、ガイドツアーになっていたとは知りませんでした。

『黙示録』については2002年に出版されたファクシミリ附属のコメンタールが別売されているので、入手可能であれば最も有用と思います。
by びるね (2014-06-22 21:51) 

alice

びるねさま、こんにちは!2日前にヨーロッパから帰ってきたばかりで、お返事が遅れました。
昨年夏のライヒェナウでは修道士ヘルマヌス生誕1000年だったとのこと。博物館でそれらしい展示があり、かなり詳しく功績なども書かれていましたが、ドイツ語はまったく分からず(英訳もあったのかしら?)時間もなく、素通りしてしまいました。さきほどびるねさまのHPで、改めてお勉強させていただきました。ありがとうございました。
上から三段目くらいのTausend Jahreの項目の下の写真はヒルデスハイムの青銅の扉でしょうか?実は今回の旅でベルリンから日帰りで訪れました。来年の1000年記念のためかと合点しましたが、大聖堂は大改修中で、青銅の扉は近くの博物館で特別展示されていました。ほとんど独り占めで鑑賞できました。往復4時間かけて行った甲斐がありました。
by alice (2014-06-26 17:50) 

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