2013夏の旅(9-1)セレスタ~コールマール [2013夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]
7/16(火) Selestat12:10→Colmar12:20
コールマール/Hostellerrie Le Marechal 2泊
朝食にオムレツを頼んだのですが、かなり待たされて、でてきたのはなぜか目玉焼き。作りなおさせる気もなく、美味しくいただきましたが・・・。他の方たちも卵料理が遅くていらいら。この宿で唯一不満なサービスでした。でも、チェックアウトのときアルザス名物のクグロフをおみやげにいただいて、にっこりでした。午後のおやつにいただいたのですが、ここの自家製なので、とてもおいしかったです。
↓ ホテルのロビー
9:30にはハイヤーが迎えに来てくれて、まずエプフィグへ。朝から青空が広がり、今日も暑い日でした。「毎日暑いわね~」と言うとドライバーさんも「メルヴェイユだ!」って(笑)。エプフィグはセレスタの北12Kにある村です。その村はずれに聖マルグリート教会がひっそり建っています。エプフィグにはSNCFの駅もあり、タクシーを使わないでも行くことはできます。それも検討したのですが、往復で数キロ、1時間半の道を猛暑の中歩くのは私には無理・・・。
☆Ste Marguerite 聖マルグリート教会 小さなラテン十字のプランの教会は身廊、翼廊、後陣が11世紀初頭の建築。西と南に張り出したポーチは12世紀に増築。教会の周りを墓地が囲み、並木の陰から見える素朴なその佇まい。村人たちの心のよりどころとして何世紀も存在してきたのです。鄙びたロマネスク聖堂の持つ魅力にあふれたところです。
↓ 道路から見えました。こんもりと茂った木々が少し邪魔・・・
↓ 飾り気のない小さな方円柱頭を頂く円柱が並んで。
↓ 内部 漆喰の壁に淡い彩色が残っています。厚い壁と太い柱がいかにも初期ロマネスク。
↓ 馬蹄形アーチの壁龕、極小さな窓。
↓ 後陣から東の光が差し込んで
↓ 床にニ聖人の姿が浮かんで、幻想的でした。
↓ 交差部と後陣の天井
↓ 後背部と鐘塔
↓ 北側面に納骨堂があり、頭骸骨がこちらを見ています。でも少しも不気味とか怖いとか思いませんでした。この教会の歴史が詰まっているようで・・・。それにあと10年か20年も経ったら、私もこうなりますからね。「メメント・モリ死を想え」。
追記:この納骨堂には1675年1月のTurkheimの戦い(フランスの大元帥Turenne率いるフランス軍とドイツ帝国軍がライン川流域で戦った)で亡くなった兵隊さんたちとのことです。ここの村の出身だったら墓地に手厚く葬られたはずですから、多分無名の戦士たちが故郷に還ることもなく、ここに・・・その犠牲者を忘れないようという村人たちの心も理解できました。それでも、17世紀から始まったフランスとドイツによるアルザスの領地争いは1945年の大戦後にフランス領となるまで続いたのです。
さて、気分を変えて(笑)次の訪問のアンドローを目指しました。アンドローはエプフィグから西北に7~8Kにあるワインの産地としても有名な町です。エプフィグからの道はティンバースタイルの大きなワイナリーやレストラン、民家が点在して美しい・・・。まさにアルザスのワイン街道です。
↓ 初めは町の入り口近くの小高いところにある教会に行きました。
↓ ここではないわ。ドライバーさんが間違えたわと町のほうを眺めるとそれらしき塔が見えました。汗をかきかき、坂を上ったり下りたり・・・。
↓ 町の中心に目指す教会がありましたが、駐車場から見た後背部はこんな感じで、本当にロマネスク?
☆St・Pierre et St・Paul 聖ピエールと聖ポール教会 880年皇帝シャルル・ル・グロの妃リシャルドが創建し、晩年をここで過ごした旧女子修道院。
↓ とにかく、右側に回って北扉口から入ってみました。大きな身廊もゴシック様式ですし、何処がロマネスク?ときょろきょろしてましたら
↓ 近くに絵葉書などの小さな売店があり、そこのボランティアらしいマダムが「クリプトをまず見てらっしゃい」というので、降りて見学しました。クリプトは12世紀です。
↓ 手前の半分が1030~1040の建築。窓側奥の半分が1080~1100の建築とのこと。
↓ ライオンの像が斜め上を見上げて吼えてる姿。こんなところで一人ぼっちは可哀そう~(私も一人だけれどね)。
↓方円柱頭から木の枝のように上に広がるアーチ。
↓ クリプトから上に戻りますと、先ほどのマダムが待ちかねた様子で立っていました。次はここの教会で一番美しい祭壇を観てくださいといって、後陣へ連れて行かれました。当然フランス語なので、ほとんど理解できませんでしたが、どうやらこの修道院創立者だった妃が1049年にアルザス出身の法王レオ9世によって列聖されたというエピソードのようです。確かに美しい・・・ですが、他にまだ観たいものがあるんです。
マダムも丁度ボランティアの持ち時間が終わったらしく、帰っていきました。さて、肝心のロマネスクは閉鎖された西扉口周辺にありました。
↓正面は私有地?なのか入れないので、真正面からの撮影はできませんでした。
↓ 上部のフリーズをいくつか(下の2枚は北側面)
↓ここからは西側面上部のフリーズ
↓ 西ファサードの中央
↓タンパンは「キリストと二人の聖人」。ここの部分はゾディアックの写真と違っていて、特に白い聖人たちは洗浄したのかコピーのように見えて残念。ラントウはアダムとイブのストーリー。
↓ 側柱の彫刻。左下に「アトランテス」
↓ アトランテスの持ち上げる上には信者の姿
↓ ポーチ上部
車に戻りましたら、ドライバーさんがワイナリーに寄りませんかというので、有料で1杯ぐらいは飲めるとついていったのですが、無料のティスティングだけでした。荷物になるので購入できませんから、ごめんなさいと言いましたが、優しい娘さんが、1杯ずつご馳走してくれて、恐縮でした。暑くのども乾いていたので、冷えた白ワインが美味しくて、グイッと飲み干しました。もう1杯欲しかったです(笑)
↓ 葡萄畑の風景、アルザスの夏です。
セレスタの駅で降車。ホテルで頼んでくれたハイヤーは高い時もあるので一概に言えませんが、ここは割安でした。まもなくやってきた列車でコールマールへ。
続きます~
いつものように、さらぁっと拝見しました。きっと暑かったんでしょうね。写真から、夏らしい陽気が感じられます。こういう行程は、日本で調べて行ったのでしょう?後は、実物を見る確認作業でしょうかぁ・・。でも、凄いですね〜。この執念、見て帰るぞぉ・・の意気込み!! Aliceさんは、かなりいける口なんですね〜〜、楽しくて、いいですね。
by shochan (2013-09-08 18:06)
shochanさま、 >この執念、見て帰るぞぉ・・の意気込み!!
まさのそのとおり~!!
ロマネスク巡りは「惚れたものに会いに行く」旅なので、一般の観光旅行と違うのは当然のことなので。。。
皆さんに「凄い」とたびたび言われるのですが、「すごい~?」
私にとっては当たり前のことなので、なんか違和感が(笑)
おまけに日本人なのに、ヨーロッパ?キリスト教?と茶化されて傷つくときも・・・(涙)
shohanさまやコメントくださる方たちは勝手に私の応援団だと思っています。本当に嬉しく、励みになります。
by alice (2013-09-08 21:41)