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十一面観音巡りの旅(11)春の南山城 [2014春の奈良(唐招提寺・東大寺・新薬師寺他)]

 大阪で文楽の昼の部を観た後、奈良へ向かいました。ホテルは昨秋と同じJR奈良駅に隣接する日航奈良Hです。ホテルの近くにコインランドリーがあるので、4日分をまとめてお洗濯。その間に少し早目の夕食をホテル内で済ませました。孫たちとの東京ディズニーランド、その後のオペラや文楽の滞在で旅に出てから5日目でした。疲れが相当貯まっていたので、お風呂の後は即ベットへ。

 翌日から昨年秋に続く大和路探訪です。当初のプランでは南山城の十一面観音を巡るつもりでしたが、2月に上京したとき東博で目にしたのが京博で開催される「南山城の古寺巡礼」展(4/22~6/15)のちらしでした。博物館に収蔵されている仏像以外はなるべく現地で観たいと思っていますから、これには当惑しました。しかし良く調べてみると観音寺の十一面観音像(国宝)は出品されていないようです。聖林寺の観音様と並び称される美仏ですから、ここだけでもお参りできれば御の字というわけで、朝出かける前に観音寺に電話しますと「いつでもご覧になれますよ」とのこと。奈良からJRで、途中木津駅で乗り換えもスムーズに三山木駅に着きました。バスもありますが、便がかなり悪いので駅前からタクシーで(片道1000円くらい)

☆観音寺

 京都府の最南端、木津川の両岸に開けたかっては山城国(やましろのくに)といわれた地の南山城にはいくつもの古寺が残っています。ここ観音寺は菜の花畑と桜に包まれてひっそり佇んでいました。もとは奈良時代に創建された壮大な伽藍を誇る大寺(普賢寺)だったそうですが、1437年の火災でほぼ全焼、その後の再建も往時の寺勢には及ばなかったのです。本堂と庫裏と鐘楼だけが残っています。国宝の十一面観音立像(天平期)は昭和28年に再建された本堂に祀られています。

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 車を降り、庫裏に案内を乞うと住職さんが出てこられて、本堂の鍵を開けてくださいました。正面にご本尊の十一面観音立像がそのすらりとした姿を見せて。。。拝観する私に住職さんは立て板に水の如く、お寺に伝わるお話を聞かせてくださいますが、ほとんど耳に入ってませんでした(汗)

↓ 観音寺の十一面観音菩薩立像(絵葉書) 木心乾漆造漆箔 172.7CM 奈良時代創建時の遺像と伝えられています。よく聖林寺の観音様と比べられるほど、均整のとれた美しい姿。まじかに観ると威厳のある固い感じの表情ですが、住職さんのアドバイスで、少し離れてみると優しく微笑んだお顔になりました。不思議・・・。

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 帰りのバスまで時間があるので、住職さんがTAXIを呼んでくれました。まもなくやってきたTAXIで、三山木駅の反対側にある寿宝寺まで行ってみました。寿宝寺にも朝電話したのですが、誰も出なかったので、そろそろ京博の展覧会へのお引越しかも?と思ったのですが、駅から歩いても数分のところなので寄ってみました。予想があたり・・・門前に引越しのトラックが横付けにされていました。

☆寿宝寺

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お寺に伝わる話では704年に創建され七堂伽藍を備えた大寺であったと言います。ここも本尊である十一面観音像は藤原中期の作で重要文化財です。

↓ 境内に入ると数人の運送の方たちが忙しそうに仏像の運搬に取り掛かっているところでした。その様子を見守る若く感じの良いお寺の奥さんに「横から少しでも拝観させていただいて良いですか?」とお願いしましたら、快く許可してくださったので、仕事のお邪魔にならないように後ろから見学させていただきました。

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↓ 寿宝寺の十一面千手千眼観世音菩薩立像(パンフレットより) 木造素木 169.1CM 平安時代重文 彩色を施さない一木造り。もとから寿宝寺にあったものではなく明治時代に近くの寺から移したという。今はこの慎ましいお寺の収蔵庫のような小さなお堂で、大切に守られています。

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 今まで観てきた十一面観音は千手のないすっきり系がほとんどでしたから、光背のように広がる数多の手に驚きました。

今回は2つのお寺だけの巡礼になりましたが、南山城にはほかにも海住山寺や観菩提寺など古代文化をはぐくんできた木津川に沿って、古寺が点在しています。再び訪れたいという想いを胸に、JR三山木駅の手前にある近鉄の駅まで戻り、南下して尼ヶ辻駅で降車。ここから垂仁天皇陵を回り道で巡り、唐招提寺を目指しました。

☆垂仁天皇陵

 垂仁天皇は第11代の天皇。豊かな水をたたえた濠に浮かぶ前方後円墳。周りは住宅や畑が広がり、のどかな風景でした。周囲は散策用に整備されていなくて、そのせいか誰も歩いていません。柵の淵に沿って細い道があり、それも次第に狭まって、最後は行き止まり。仕方なく土手から降りようとして、滑って尻餅…涙。雨の日でなくてよかったです。

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↓ 陵にはカメさん大集合。

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 転んだところを幸い誰にも見られなかったのですが、近鉄京都線の線路に平行する広い道路にようやくでられほっとしました。道しるべを辿って唐招提寺へ。続きます~。

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