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(4)パリ~チューリヒ [2017冬の旅(パリとチューリッヒ)]

1/28(金)パリCDG13:10→チューリヒ14:25 

  10時30分ごろのチェックアウトまでゆっくり部屋で過ごし、呼んでもらったタクシーでパリ北駅へ。RER線の切符の自販機がまたわからなくなって、結局窓口で購入。この日は正規料金の10€でした。乗り場までエレベーターに乗りましたが、間違えて1階上で降りてしまい、その上改札を通ってしまいました。元のエレベーターに戻れず階段の上で困っていましたら、先ほどエレベーターで一緒だった日本人の若い女性が階段を駆け上がってきて、スーツケースを運んでくれました。優しい~!お姉さんもご一緒でした。二人とも化粧も薄く素敵なな美人姉妹で、すれ違う男性が振り返るほど、私まで鼻が高く・・・(笑) 。これからミラノに向かうのだそうで電車が混んでいて離れてしまいましたが、個人旅行の若い人に会っても親切にされたり、話すことも稀なのでひと時の出会いでしたが、ハッピーでした。

さて、順調なフライトでチューリッヒ空港に到着。電車で中央駅へ行き、タクシーでホテルへ向かいました。ホテルは何度か泊ったことのあるSmall Luxury Hotel Ambassador a l’Operaに 2泊 しました。

↓お部屋もいつものシングルルーム

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 今夜はオペラなので、旅装を解いた後はベットに横になってウトウト仮眠。劇場も道路を隔てた隣の建物なので15分前に部屋を出ても余裕です。劇場の前で写真を撮ってもらおうと若い女性に頼んだのですが、良く見ると彼女は手にアイスクリームを持っていて・・・なぜか他の人に頼む気もなくなって劇場内へ。        

席は最前列の右より。ファースト・カテゴリー230CHF(約28,000円)でした。10年以上も前になりますが、ケルビーニの『メデア』をパリで観たことがありました。同じギリシア悲劇(エウリピデス作)を基にしたシャンパンティエの『メデ』も上演されることが稀な演目ですから、これを逃しては死ぬまで機会はなさそうです。同時期にウィーンのオペラとザルツブルクのミンコフスキのコンサートがあり、最後まで迷いましたがチューリヒではこの翌日ファジョーリのコンサートもあり、移動も少ないのでチューリヒを選びました。

♪~シャルパンティエ『Médée/メデ』19:00開演

指揮:William Christie  演出:Andreas Homoki

Médée :Stéphanie D'Oustrac   Jason :Reinoud Van Mechelen
Créon: Nahuel Di Pierro    Créuse :Mélissa Petit
Oronte :Ivan Thirion    Nérine: Carmen Seibel    Arcas:Spencer Lang        Cleone :Gemma Ni Bhriain

Orchestra La Scintilla
Chor der Oper Zürich
Mitglieder von Les Arts Florissants 

 指揮のクリスティは前年東京でコンサートがあり来日しています。もちろんチケットは早くから買ってあったのですが、都合が悪くなりパスせざるをえなく、とても残念でした。今までヘンデルの『リナルド』『セメレ』、パーセルの『ディドとアエネアス』など小ぶりの劇場でのバロックを聴いてきました。それぞれが、忘れがたく優れた演奏でした。久しぶりでしたが、血色も良くお元気そうなクリスティおじいさま(と言っても私と同じくらいの年齢 汗)。

舞台は古代ギリシアを現代に置き換えたものですが、そう抵抗なくフランス・バロックの音楽に浸ることができました。タイトルロールのメディアを歌ったドゥストラック以外は知らない歌手ばかりでしたが、穴のないパフォーマンスが素晴らしい~!男と女の葛藤から次第に心理的に追い詰められ、狂気を帯びていくメディアの哀れさと背中合わせの魔女的子殺しの恐怖。ドゥストラックの白い眼をむいた狂気の表情は最前列なので、良く見えたこともあり、背筋が氷りました。過激的なドラマですが、演奏は小編成のバロックオーケストラで古雅なのが、かえって人の性(さが)の哀れさを引き立てているようです。さほど多くのバロック・オペラを観ているわけではありませんが、とても満足できる体験になりました。現代オペラではライマンの作曲による「メディア」もあるとのこと、いつか観るときがきますように。。。

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追記/2008年にパリ・シャンゼリゼで観たリュリの『テゼ』はメデの後日譚。この『メデ』は17世紀のメデア・オペラとしてリュリの『テゼ』と前後して1693年シャルパンティエによって作曲されました。メデの心理描写が見事で、激しい怒り、母としての愛、悲嘆、子殺しへの逡巡が各幕のモノローグで的確に語られ、フランス抒情悲劇の傑作として後世に残りました。

 終演後、10時過ぎてもホテルのレストランがまだ営業中でしたので、軽くキノコのリゾットをいただいて部屋に戻り、今夜の余韻に浸りながら就寝。 

 


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