2013夏の旅(20) ロンドン [2013夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]
7/27(土)
今日は20年ぶりに訪れる大英博物館へ。あの時と同じルートのサウス・ケンジントン駅からラッセル・スクエア駅へ。
↓ サウス・ケンジントン駅の近くは週末なのでマーケットが店開き。
↓ ラッセル・スクエア駅から同名の公園を横切り
↓ 大英博物館の正面入口 ここは20年前と同じでしたが、内部は新しく、広く、モダンに改装されました。それにしても夏休みなので、人々でごった返しです。韓国や中国などからのツアー客に加えて、語学研修の中高校生のグループも多く・・・日本人の同様のグループは見当たりません。最近は日本の経済的な低迷もあるのでしょうが、海外に対する興味が若い人たちに広がっていないことを感じます。一抹の寂しさを感じながら、溌剌とした韓国の学生さんたちを眺めていました。
初回に古代エジプトやギリシアの超有名どころは見学済みでしたので、今日は昨日同様に偏愛気味な(笑)ヨーロッパの中世美術の部屋へ。
↓ 「The Tring Tiles」(1330英Hertfordshire)ゴシック時代の壁タイル。バイブルには記載されていない若い時のキリストの生活がテーマ。
↓ そのうちの一枚は左「イエスの先生レヴィに顔をたたかれているところ」右は「傷を治して先生をびっくりさせているところ」
↓ これも壁タイル(詳しいことは不明)
↓「Figure of Christ」 1100頃 英
↓「Plaques with Virgin and St.John」(1170~90頃仏リモージュ) 聖母のオランスの祈りのポーズはビザンチンの影響。仏リモージュ、エナメル。
↓「Casket with Scenes of Cortly love」1180頃 仏 リモージュ製。 エナメルの小箱や飾りはほとんどがキリスト教のテーマでしたからこういうのは珍しいです。左は吟遊詩人がダンスのレディに愛を奏で、右は跪く男性の首に綱をつけて、愛を誓わせ屈服させるレディ。真ん中の黒い服の人はミスティリアスです。手に持っているのは剣と鍵。
↓ 「Tristram and Isolde Casket」(1180~1200)独/ケルン 象牙? トリスタンとイゾルデの中世の物語を題材にした最も早い時期の代表とのこと。
↓ エナメルの飾り板2点は旧約聖書の物語。左が癒されたナアマン、右がサムソン。12世紀、ベルギー。
↓ ロマネスクの柱頭彫刻も
そして、以前はあまり詳しく見ていなかったエジプトのコプト美術のコーナーへ。ミイラの展示室の近くにあるためか、かなりな人が通過(ほとんど関心を示さず)していきます。20年前はその美しさに気が付かなかった織物の断片が多数あって、感激しました。ガラスが反射して良く撮れていませんが、いくつかアップします。
エジプトは聖母と幼いイエスが避難し、使徒たちも修業した土地でもあり、1世紀ごろからキリスト教が広まったのですが、教議の違いなどもあり、ヨーロッパのキリスト教に対してコプト教と呼ばれています。現在のエジプトでは人口の1割程度の教徒が居ますが、過激なイスラム教徒によって迫害を受け、長い歴史を持つ教会も襲撃され、危機状態にあります。イギリスに渡ったこれらの素朴な裂き織にこめられた信じるものに捧げる気持ち・・・胸を打たれました。エジプトにそしてコプト教徒に真の自由な世界が来ることを祈ります。ここを最後にサウスケンジントンに戻りました。
↓ドーム状のグレートコート
↓ サウスケンジントン駅の近くのレバノン料理のレストランでランチ。安くて美味しい~!
ホテルに戻り休憩の後はロイヤル・アルバートホールへ。
♪~Proms 19 ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」コンサート形式17:00~@ ロイヤル・アルバートホール
<!--[if !supportLists]-->· <!--[endif]-->Wagner Tristan and Isolde (284 mins)
(concert performance; sung in German)
- Robert Dean Smith tenor (Tristan)
- Kwangchui Youn bass, Proms debut artist (King Mark)
- Violeta Urmana soprano (Isolde)
- Boaz Daniel baritone (Kurwenal)
- David Wilson-Johnson baritone (Melot)
- Mihoko Fujimura mezzo-soprano (Brangäne)
- Edward Price baritone (Steersman)
- Andrew Staples tenor (Shepherd/Young Sailor)
- BBC Symphony Orchestra
- Semyon Bychkov conductor
前回書き忘れましたが、プロムスのプログラムは5ポンドで2冊ですが、うち1冊は対訳本なので、コンサート形式でもあり、ほとんどの人がこの対訳をなぞりながら聴きます。私も特に今夜は動きもなく、イゾルデが苦手なVioleta Urmanaということもあり・・・顏はあまりあげませんでした。でも英訳がスムーズに読み取れなくて、もたついてますと先に進まれて・・・苦虫。
主役二人がオーケストラの音響に負けてしまって、かなり苦しかったのですが、例外は我らがMihoko Fujimura。細く華奢な体形の彼女のどこから?と思うほど、大きな会場にむらなく響き渡るブランゲーネの抑制されつつも洗練された歌いまわし…何度も言いますが日本の誇りです。素晴らしくて目もうるみました。隣席の韓国人の女性も大賞讃。このかたは日本に短期留学していたそうで、日本語も上手でした。マルケ王のKwangchui Youn も良かったです。指揮のSemyon Bychkovはウィーンで同じ「トリスタンとイゾルデ」を振ったのを聴いたことがありました。(2001)。場所もオーケストラも歌手陣も違う(藤村さんは同じ)ので仕方ありませんが、今回はあのときほどの強い印象は持てませんでした。生の舞台と演奏は4回目になり、CDでも必ず眠たくなる3幕初めのシーンは眠くなくなりました。継続は力なりですかね~(笑)。
帰りは雨になり、この旅で初めて傘をさしました。カジュアルな服装の人たちばかりなので、この夜はジャケットもやめて麻のワンピースにカーディガンという気楽さ。そのせいか長いワーグナーでも疲れません。3チケットで10.000円くらいと安いですし、「プロムス、いいな~」とつぶやきながら宿に帰りました。
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