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十一面観音巡りの旅(7)秋の大和路 [2013秋の奈良(法華寺・秋篠寺・法隆寺他)]

 奈良は盆地なので朝夕は10度以下と冷え込みましたが、この日も昼間は20度まで気温は上がりました。茶がゆの朝食をとり1泊した旅館をチェックアウト。TAXIで次のJR奈良駅の傍のホテルに宿替えしました。宿の近くの興福寺や猿沢池など散策できなかったのが残念でしたが、この歳ではあまり無理はできません。奈良での最大の目的「十一面観音像巡り」はこれから始まるのですから。。。今日は佐保路を巡ります。

 今日から2泊する奈良日航ホテルに荷物を預け、目の前のバスターミナルから西大寺駅行きに乗車しました。JR駅構内で買った奈良交通の一日観光パス(奈良市内や近郊乗り放題特価で500円!)をポケットに、まずは法華寺へ。バス停で横浜からの独り旅のシニア女性と一緒になり、お寺の南門まで300mほど一緒に歩きました。

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☆法華寺

 かっては「総国分尼寺」として栄華を誇った法華寺は聖武天皇の妃である光明皇后ゆかりの寺です。ここの十一面観音立像は「本堂」に安置される秘仏です。春と秋に公開されるとのことで、これは良いチャンス!とやってきました。平安初期に造られた艶めかしい肉厚の唇にグラマーな肢体ですが、木肌の美しさを生かした素地仕上げになっています。尼寺という環境もあり、写真より清楚な印象を持ちました。また、下の會津八一 先生も歌われてますが、藤原不比等の娘の光明皇后をモデルに造られたという伝承があります。でも実際に仏像が造られた時代が違うので、史実ではないようです。

ふぢはらの おほききさきを うつしみに 
あひみるごとく あかきくちびる   會津八一

お参りを済ませ、ご朱印をいただきました。

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 ↓ 落ち着いた雰囲気の境内(左に鐘楼)

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↓から風呂/ 光明皇后が貧しい人々(千人)の垢を自ら流したという伝承で知られた建物(内部見学不可)

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↓ 庭園から本堂を眺め

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↓本坊庭園/初夏には杜若が咲きます。

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↓ 白椿が咲いていました。

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↓光月亭の縁側で羊羹とお薄をいただき、

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 「法華寺前」のバス停に戻り、少し先へ歩くと海龍王寺です。交通量の激しいバス通りからすぐ階段になっています。山門の土塀も古めかしく、狭い参道の先にはこじんまりした境内。

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☆ 海龍王寺

 天平3年(731)光明皇后によって創建。唐に渡った留学僧玄昉を開基とする。寺の名前は玄昉が唐から戻る途中暴風雨に襲われながらも無事帰国し、持ちかえった海龍王経にちなんでます。そのため現在でも旅行や留学の安全祈願に訪れる人も多いそうです。本堂には鎌倉時代の十一面観音が本尊として祀られています。友人が何年か前に訪れたときは境内は荒れ果てた印象だったようですが、今は鄙びてはいるものの、静かで落ち着いた佇まいです。

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 奈良時代に建立された「西金堂」と堂内に飾られた国宝の五重小塔も見どころの一つです。相輪を含む高さは4mあまりと本物の伽藍としての五重塔ではありませんが、奈良時代のオリジナルの様式を伝える塔として貴重な作例とのこと。

しぐれのあめ いたくなふりそ こんだうの 
はしらのまそほ かべにながれむ  會津八一

ここは平城京跡にも近く、ハイキングを兼ねてこの一帯の寺巡りをしている人も多くみかけました。私はバスに乗って、車窓から平城京をながめつつ、昨日も通った近鉄西大寺駅へ。  


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