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十一面観音巡りの旅(13)春の大和路 [2014春の奈良(唐招提寺・東大寺・新薬師寺他)]

 最近は美味しい朝ごはんを時間に追われず、ゆっくりとるのも旅の楽しみのひとつになりました。その点でもこのホテルは及第点。今朝は朝粥をメインにいただきました。

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 すでに述べましたが、南山城巡りは今回観音寺と寿宝寺だけになってしまいましたので、代わりと言っては恐れ多いのですが、東大寺を訪れることにしました。駅前から循環バスで奈良公園まで。

☆東大寺ミュージアム

3年前に開館し、法華堂から移された日光、月光菩薩像をはじめ多数の名品が収蔵されています。見物客も少なく、パンフレットに書かれている「はるか千三百年ちかくの昔から、ずっと手を合わせ 微笑みと慈しみの心で祈ってくださっている」そのままの品のあるお姿。明るい照明のガラス越しでの鑑賞ですが、以前の暗い法華堂(三月堂)で観た時より洗浄もされたのでしょうか、清らかなその祈りの立ち姿に魅せられました。右が日光菩薩立像、左が月光菩薩立像です。顔の表情(日光菩薩のほうが柔らかな微笑み)と衣服で区別します。

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 特別展は「鎌倉の仏像 迫真のエキゾチシズム」でした。鎌倉の国宝館や鶴岡八幡宮、建長寺からの12~13世紀の仏像などの出品もあり、見ごたえがありました。

↓ この日は気温は20度を超え初夏のような日差し。

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↓ 韓国や台湾の修学旅行生や欧米からの観光客も多く見られました。

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↓ 鏡池から右折して法華堂や二月堂の方向へ

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↓ カメラの操作に夢中な若いお母さん。乳母車はあるけれど・・・

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↓近くにパパとお子さんが遊んでました。

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↓ 桜が満開の公園内のなだらかな坂を上りますと、やがて鐘楼が見えてきました。

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☆法華堂

三月堂とも称され、天平時代に東大寺開山の良弁僧正がこの地に山房を構えたのが始めと言われています。現在の建物は外観は一棟のように見えますが、内部は天平時代の寄棟造りの本堂と鎌倉時代の礼堂に分かれています。堂内はカメラ禁止。本尊は不空羂索観音立像は乾漆造りで、2011年以前はさきほど東大寺ミュージアムで見てきた日光、月光菩薩を両脇に従えた構成になっていました。↓NETから拝借。

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 他には梵天、帝釈天、金剛力士(阿吽)、四天王、執金剛紳(秘仏)の10躰です。 日光・月光菩薩、弁財天、吉祥天、地蔵菩薩、不動明王の6躰は東大寺ミュージアムに安置されています。ここまで来ても堂内に入って参拝する人は少ないようで、ひっそりしていました。

☆二月堂

 奈良時代752年に良弁僧正の弟子である実忠和尚によって建立され、毎年旧暦2月に修二会が行われたために二月堂と呼ばれるようになりました。修二会(お水取り)は国家の安泰、国民の幸福、五穀豊穣を祈る行法で、現在まで1回の断絶もなく続いています。奈良時代のお堂は1667年に火災で焼失し、1669に再建されたのが、現在の二月堂です。国宝。本尊は十一面観音菩薩で古来から秘仏とされています。

ご詠歌  「 ありがたや ふしぎは一(いち)か二月堂  わかさの水をむかえたもふぞ 」

白洲正子さんの「若狭のお水送り」では毎年3月2日に神宮寺近くの遠敷川にて行われ、その汲まれた御香水は10日かけて奈良の二月堂に送られるそうです。小浜周辺の古寺には十一面観音像もいくつか拝観できるようなので、次女の住んでいる福井市にも近いことですし、そのうち出かけることにいたしましょう。

↓などと夢想しつつ二月堂の階段を上り・・・修二会には以前来たことがありました。写真のこのあたりで見た覚えがあります。

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↓上のお堂からの眺め

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↓二月堂の装飾

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↓ 大仏殿への裏道 土塀の続く趣のある道ですが、整備したのか、以前のひなびた感じが薄れました。

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 ここまで来て大仏殿に行かないわけには・・・というわけで、見物客で混雑するなか入場。

☆ 東大寺大仏殿

東大寺の中心。別名金堂と呼ばれています。正面57m、側面50m、高さ48m、世界最大級の木造建築です。大仏は正式には盧舎那仏といい世界の真理を体現する仏といわれています。

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ここだけはカメラOKでした。

おほらかに もろてのゆびを ひらかせて

おほきほとけは あまたらしたり   會津 八一

 朝ごはんを沢山いただいていたので空腹感がなく、東大寺の見学が終わって2時ころに昼食をとりました。観光客の多い普通のお店です。筍の釜飯セット。隣席にイタリア人たち数名。普通にお箸を使って、釜飯やお味噌汁など食べていました。日本が初めてというわけではなさそう・・・。窓から見える桜が風に吹かれて花びらを散らしていました。北海道はまだまだお花見できませんから、一足早く奈良の都のソメイヨシノの淡く繊細な桜色にうっとりでした。デザートに抹茶ソフトクリームもいただいて、次は奈良国立博物館へ。東大寺ミュージアムでコンビネーションチケットを買ってありました。

☆奈良国立博物館

 昨秋に続いての仏像たちの鑑賞。旅のテーマである十一面観音立像は奈良のエリア(勝林寺、薬師寺、海住山寺、松尾寺、元興寺)を主に。

今回は2枚の光背が印象に残りました。聖林寺の十一面観音像に付随していた光背にはアカンサスの葉模様が彫られています。もう一枚はさきほど訪れた二月堂の絶対秘仏である十一面観音の光背。銅に鏨で模様を線刻したもの。17世紀の火災に焼け出された断片を復元しています。

また小さな誕生仏釈迦立像(飛鳥時代7世紀)が2体。どちらも微笑ましいお顔に両手で天と地を指して「天上天下唯我独尊」との形。いよっ!と手を挙げた幼いお釈迦様は本当にかわいいです。花祭りに奈良を訪れて、これらの像の前に立っているのが、めぐりあわせが、不思議に思えました。

そうこうしているうちに、すでに夕暮れです。足が棒のようになり、疲れてホテルに戻りました。夕食はホテルのレストランで。ここのブッフェはヘルシーなものが多くて美味しいです。


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