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2014初夏の旅(6)ウィーン~ザルツブルク [2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

6/6(金)ウィーン12:30→ザルツブルク14:52(列車)

ザルツブルク/ ホテル・アム・ドム4泊

 やはり4連泊は正解でした。慣れない同行者との旅行は老体にはきつすぎましたから・・・。さて、今日は問題の列車移動の日。ウィーンの定宿ヴェートーヴェン・ホテルの美味しい朝食も遅めにしっかりいただいて、11:30過ぎにチェックアウト、ウィーン西駅へ。友人のスーツケースを運ぶたびにTAXIの運転手さんが重そうで(汗)。電車はプダペスト始発の特急でしたが、停車時間は15分ほどあり、到着後すぐに乗車。ステップは日本の新幹線とは異なり、3段の結構な高さがあります。問題のスーツケースは荷物の最後に私が下から友人が上から持ち上げようとしたその時です。駅のプラットホームを清掃の作業員の方が丁度通りかかり、軽々と持ち上げてくれたのです~なんてラッキー!感謝感激でした。ファーストクラスはいつもがらがらですから、座席は予約していなかったのですが、かなり混んでいてびっくり。それでも車両の中央の荷物置きの近くに座ることができました。おやつに水羊羹やおせんべいを食べながら、のんびり汽車の旅。友人は初個人旅行の初列車の旅を楽しんでいる様子でした。

 ザルツブルクはウィーンより暑く、しかも強烈な日差しが道産子2人の柔肌(笑)を直撃。「暑ーい!」連発しながらホテルへ。ホテル・アム・ドムは初めてです。音楽祭のチケットが取れた時点で、ロケーションも良く、値段も手ごろな宿は限られていました。ここは評判も良かったので、すぐ予約しました。旧市街のレジデンス広場からタクシーも入れない狭い小道の10Mくらい先がホテルです。

 ↓部屋は日当たりは悪く眺めも良くありませんが

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↓ レセプション(左)の奥が朝食室です。朝食は別料金で9ユーロ。品数は少ないのですが、品質の良いものを吟味しているようで、コーヒー、パン、ハム、チーズ、果物すべて美味しかったです。

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 ひと休みのあと(彼女はショッピング!)、夕方からのコンサートに向かいました。ランチは抜きでしたので途中のカフェ・トマゼリのテラス席でサンドイッチとコーヒーをいただきました。

♪ KONZERT Giambattista Velluti ‎‎‎• Arienabend Franco Fagioli フランコ・ファッジョーリ
@Stiftung Mozarteum モーツアルテム 19:30~

 フランコ・ファッジョーリはここのところの活躍目覚ましく、またオペラ仲間の間では最大級の賛辞の送られているカウンター・テナーです。なかなか生の公演にぶつかることもなかったので、今回ではコンサートとはいえ、ようやく聴くことができました。

コンサートに表記されていたテーマのGiambattista Velluti (1780~1861)はイタリア人のカストラートで、最後の大物カストラートとして知られています。この夜のプログラムもVellutiのために作曲されたマイヤベーアとロッシー二から構成されています。オーケストラ(I BAROCCHISTI)、指揮DIEGO FASOLISによるRossini「Aureliano in Palmira」の序曲から。床屋さんに似た乗りのいい曲なのですが、いまいち弾まなくて、ロッシーニはペーザロにかなわないでしょうと急に彼の地での音楽祭が懐かしくなりました。(といっても10年も前に2度しか行ってませんが 笑)・・・。古楽系のオーケストラでは少々ロッシーニの愉悦感には遠かったのかも。

そして、お待ちかねのファジョーリはMeyerbeerの「IL CROCIATO IN EGITTO」ARMANDOのレチターボ&アリアから始まりました。喉が温まるまで、本調子ではなさそうでしたが、やはり徐々にエンジンがかかってきて、その縦横無尽といってもいい、どこから声が?と思えるミラクルな声帯から繰り出される歌声、見事に決めるアジリタといい高度な技巧に脱帽でした。休憩の後はRossiniオンリーのプログラムになりました。オーケストラの演奏「IL turco in Italia」序曲の後は「Aureliano in Palmira」ARSACEからと「Semiramide」のARSACEから。両方とも通常はメゾソプラノかコントラルトがズボン役で歌うのですが、ファッジョーリが歌うとやはり男性のほうがより自然なドラマ性のあるパフォーマンスになります。ロッシーニの官能性も・・・胸がドキドキ(笑)

そして、アンコールは「湖上の女」から。これも通常はメゾソプラノのアリアです。しかし、これはミラノで聴いたバロチェッローナによる極上のマルコムには敵わないかも・・・。そしてアンコールのときに上の階の方を観て、とてもうれしそうに挨拶しました。よく聞き取れなかったのですがバルトリが見えていたようです。(私の席からは全く見えなくて、違っていたらごめんなさい)彼も張り切って「フィガロの結婚」のケルビーノを楽しそうに歌いました。これはとてもキャラにもあっていて、ぜひオペラの舞台で聴いてみたいとぞっこん(笑)。今夜のオーケストラもモーツアルト向きだったのかも。カーテンコールではほぼ全員のスタンディング・オーべーションで盛り上がりました。終演後は会場の外側でブログのお仲間のBonnjourさんを出待ちしましたが、お会いできませんでした。後からお聞きしましたら中でサイン会があったとか。そこまでは気が付かず、パリ以来の再会を果たせずに、夜のライトアップされた美しい旧市街を眺めながら橋を渡り、宿に戻りました。

↓写真はぶれてしまいました。

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 補記:開演前のことですが、席はParterre Rechts9-3で、友人は同じ9列目でしたが左サイドでした。この時右、左に気が付かず近くのご婦人にチケットを見てもらっていましたら、後ろから叱りつけるような大声が。はっとそちらを見ますと老齢の日本人男性が「よくチケットを見ろ!左と右があるのだから~!」と座ったままで怖い顔。うろうろするのは日本人の恥とでも言いたげでした。こんな風に見知らぬ方に怒鳴りつけられる経験はほとんどありません。失礼千万な人と思いましたが、でも「ありがとうございます」と一応お礼を・・・涙。ディドナードのコンサートでも一緒になりました。後から分かったことですが、○○音楽ツアー参加の「先生」と呼ばれる方だったみたいです。ツアーのお仲間には親切にされるのでしょうか?


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cachaca

素晴らしいカウンターテナーを聴かれたんですね!ケルビーノをカウンターテナーとうのもいいかも。色白で腕に毛がなければ!(^0^)

>後ろから叱りつけるような大声
こんなことをする本人こそ周りから白い目で見られたことでしょう。aliceさんが男性だったら言われてないと思います。先の都議会のヤジ議員と同じで女性蔑視。どんな理由であれ、公共の場で女性に大声を上げるのは紳士失格。そんなことも知らない日本人男性にオペラを語る資格はないです。
by cachaca (2014-07-08 13:34) 

alice

cachacaさま、2泊で上京してましたので、コメントが遅れ失礼しました。

ファッジョーリ写真で観ると髭ぼうぼうですが、マッチョな感じは全然ないので、メーキャップと衣装でかなりかわゆいケルビーノになると思います。

日本はまだまだ男が女を観る基準が「綺麗か若いか」ですね。そのどちらでもない年寄女は目障りなだけ・・・。ひねてるだけでなく、成熟しない人たちが哀しいです。今回の東京往復も飛行機の棚の荷物おろすのに、誰もヘルプしてくれなかったのは(日本ではもう慣れっこですが)、なんなんだと思います。

>先の都議会のヤジ議員と同じで女性蔑視
全くおっしゃる通りです。某週刊誌にやじられた女性議員の個人生活について、恋多き女みたいに書いてて、だからどーした!って(怒)
女性蔑視の下品なヤジとどういう関係があるっていうのでしょう。

by alice (2014-07-10 20:18) 

cannella

aliceさま
海外で、物知り顔の日本人えらそうに、注意することよくあります。
わたしもウイーンで、立ち話していたら、ほかの人のお邪魔になるでしょう、と、いかにもウイーンに長く暮らしているのか、旅歴が多いのか、の女性に言われたことがあります。
そのオジサン、失礼ですね。わたしだったら、言い返すかも・・。aliceさんお礼まで言われて、おえらいです。
by cannella (2014-07-11 09:00) 

はるる

わ~、alice様もファッジョーリ楽しまれたのですね!ほんとちょっと驚きの歌声と技巧ですよね!私はアルタセルセ以来とりつかれてしまいました。でもそろそろやっぱりジャル君の方がなんか好きかもとか思い始めました。それでも、ファジョーリのを聴くとすっきり陶酔(?)しちゃいます。ロッシーニ、モーツアルトもますます聴いてみたくなりました。

今回私も妹同伴でして、いつもよりゆっくりはできたのですが、単独行動癖がついているものとして少々勝手が違いました。歩く速さから(いつも妹の方が10メートルくらい遅れるんです)。それに荷物も!妹ったら洋服も靴もいっぱい入れてて最初から2パック!結局着なかったのもあったり。でもいつも遠慮がちなレストランでの食事や、ちょっといいお部屋に泊まれたのはラッキーでしたけど。
by はるる (2014-07-12 01:17) 

alice

Cannellaさま、あの場所では丸く収めるほかになくて・・・日本人は周りにいませんでしたから(だからこそ蔑視的発言だったのかも)。後から友人と「酷過ぎるわね~」とさんざんこぼしあいましたので、まだ気は収まりましたが、独りだととかなり後までへこんでいたと思います。
by alice (2014-07-12 19:35) 

alice

はるるさま、お帰りなさいませ。ボーヌとエクサンプロヴァンスの組み合わせはまだ私はしたことがないので、いいなあ~羨ましい。

>でもそろそろやっぱりジャル君の方がなんか好きかもとか思い始めました
なんか似た状態になっていてびっくり!昨夜B・メータの「オルランド」をアマゾン3Pから購入。2年前モネで聴いた公演ですが、やっぱり素敵~とうっとりしていたところです。気が多くて困ります(笑)

それに同行者とのいろいろも同じです。歩く速さも荷物も(ご姉妹とは違いますが)・・・でもレストランや公演の後のお喋りなど。良いところも沢山でしたから、それなりに(笑)良い旅でした。
by alice (2014-07-12 19:51) 

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