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2014初夏の旅(7)ザルツブルク [2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

6/7(土)

 今日も朝から太陽がじりじりと照りつける暑い日でした。友人はザルツブルクが初めてなので、観光メインコースを選択。まずは大聖堂へと寄ってみましたが、聖霊降臨祭のミサの最中で、見学不可でした。宿から極近いので、ここはいつでも来れるからとパスし、小高い山の上のホーエンザルツブルク城塞を目指しました。城塞へはケーブルカーで簡単に行けます。

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 メンヒスベルク山頂から市街地を見下ろす城塞は1077年当時の大司教ゲブハルトによって建立。15~16世紀に要塞として拡張。ローマ法王との繋がりも強いザルツブルク大司教の戦略的拠点でした。中世の城塞建築としては中部ヨーロッパで最も良く保存されたもののひとつで、内部には博物館もあります。

↓ まず、城塞からの眺望を楽しみ

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↓ 城塞内の博物館は初めて入りました。すでに記憶が薄れていますが、豪華なゴシックの木彫や壁画には目もくれず(笑)写したのは下の2枚。創設当時のものと思われます。。

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↓城壁に咲く夏の花

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↓ ケーブルカーからの大聖堂と司教館付近の眺め

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↓ 下の旧市街を散策後、豪華ランチ@ゴルデナーヒルシュホテルのレストラン。空席が多く、予約なしでもOKでした。

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 ↓前菜は冷たいアスパラガスのスープ。暑い日でしたし、とても美味でした。メインやデザートも写真撮り忘れましたが、さすがに洗練されたフレンチで大満足。次回はここに泊まりたいという友人に「ハイ、ハイ」(笑)

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 食後はブランドのお店がバーゲンしているからと目を輝かす友人とはバイバイ。私はスーパーで水と果物をショッピング。ホテルに戻り休息し、今夜のオペラのために体力温存に努めました。

♪~Gioachino Rossini『La Cenerentola』@Salzburg/Haus für Mozart19:00~

Conductor  Jean-Christophe Spinosi
Director  Damiano Michieletto
Sets  Paolo Fantin
Costumes  Agostino Cavalca
Lighting  Alessandro Carletti
Chorus master   Ernst Raffelsberger
  ~
Angelina   Cecilia Bartoli
Don Ramiro   Javier Camarena
Dandini   Nicola Alaimo
Don Magnifico   Enzo Capuano
Alidoro   Ugo Guagliardo
Ensemble Matheus

 席は最前列やや右寄り。ザルツブルクではどういうわけか、かなり高い確率で最前列が当たります。近眼なので、歌手たちの顔や目の表情も良く見えて最高です。私の申し込んだ後にNET予約した友人の席は5列目でした(でも前の席にファジョーリ が!) 。

 「チェネントラ」は10年ほど前ミラノで、フローレス&ディドナートのコンビで聴いて以来2回目です。スカラ座のオーソドックスな演出はあまり印象に残らないものでしたが、今回はイタリアの若き演出家ミキエレットが担当。現代が舞台、カラフルでポップな構成のなかに、人の世の変わらぬ悲喜劇がロッシーニのぴったりはまった音楽とともに繰り広げられます。指揮のスピノジと手兵のアンサンブル・マテウスの演奏もイタリア的な笑いや涙から少し離れた感のある優雅な品の良さもあり、その洗練された爽やかさに大拍手。スピノジは2011の秋(ウィーンのセルセ)以来2回目、バロックのほうが彼の得意とするところでしょうか。

 観る前はバルトリの独り舞台かなと、少々案じられていたのですが、ドン・ラミーロのカマレナの素晴らしく力強い高音が冴え、他の歌手たちも大奮闘、パワフルなパフォーマンスに酔いました。アンジェリーナのバルトリはエプロン姿にスニーカーで登場、継父の経営するカフェで健気に働いています。辛い境遇の中でも明るさと夢を失わないで口ずさむ「昔、ひとりの王様がいました」から、舞台に引き込まれました。冒頭舞台の上から降りてくる天使のアリドーロ、父親の目を盗んでレジからお金をくすねる意地悪姉たちなど、終わってみれば1幕目がユニークで面白かったです。

↓ その1幕目。ドン・ラミーロとの出会い(劇場内のショップで買ったプロマイド)。見つめあったままコーヒーをこぼしてしまった微笑ましい場面。

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 ドン・ラミーロのカマレナは初めて聴いたのですが、驚異的なアクートに仰天しました。帰国してからの情報で知ったのですが、METで5月公演の「チェネレントラ」で同役をフローレスとのダブルキャストで歌い、アンコールがかかったそうです。ただ、私はフローレスと比べるのはまだ早い段階と思います。フローレスの精度の高いテクニックはキャリアと努力を経て磨き上げられたものなのです。近い将来本当のライバルになる日が来るのでしょうか?ハンサムで演技も達者なフローレスに比べると、イモ兄ちゃん(ごめんなさい)ぽいのは残念ですが、無垢な明るい笑顔はプラスポイント。王子様より愛の妙薬のネモリーノなんかぴったりでしょうね。

↓第2幕フィナーレ、結婚式の場面「悲しみと涙のうちに生まれて」。バルトリの誰にも真似ができないアジリタの晴れやかな歌声に包まれて・・・この会場で聴く人すべてが幸せに浸れたでしょう~♪。シャボン玉がいっぱいのなかで。

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 ↓熱気に包まれたカーテンコール

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 素晴らしい公演に美酒に酔ったような気分でホテルに戻りました。玄関に鍵がかかる時間寸前で、レセプションの女性がまだいたのですが、隣の扉にカードをかざすと開く仕組みになっていて、そこから部屋まで、エレベーターも使って行けます。ランチは豪華でしたので、夜食は慎ましく、手持ちのもので済ませ、お風呂に入って就寝。頭の中でまだチェネレントラの音楽が鳴っていました。


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