十一面観音巡りの旅(28)東京&帰札 [2015早春東京と京都(東福寺・平等院)]
3/6(金)
今日も旅のテーマとはまったく関係のない寄り道の一日でした。旅に出かける前の情報収集でひっかかったのが映画「Shoah」です。札幌で上映されることは望み薄ですから、東京にいる間に観たいと思いましたが、すでに上映館の前売りは完売しています。長い上映時間ですし、席が確保できないと無理かなと迷っていましたら、Bowlesさんのメールで知った「ぴあ」のリターンチケットに挑戦。タイミングが良かったみたいで、無事入手できました。ただ、1部から4部まで観るのは無理があり、3部まで。
渋谷のシアター・イメージフォーラムは初めて。渋谷駅からヒカリエを通り抜けて、宮益坂方面へ。50年前は渋谷は私の街みたいに楽々歩いていたのに、大変貌・・・うろうろしながら、緩やかな坂にもハアハアしながら映画館に10分前に到着。すでに行列ができていました。前売りの座席順は10番台でしたから、ゆうゆう良い席を選べました。映画は1~3部まで。途中休憩をはさんで、10時から18時過ぎまでかかりました。ナチのホロコーストから70年過ぎましたが、パレスチナ紛争や一連のテロ、イスラム国の台頭など、その悲惨な事実の重さから派生したさらなる悲劇に、ただただ唖然とするばかりのこの頃です。内容の深刻さやその描き方は残虐なシーンが無いからこその想像力も試され、眠気を催す暇もありません。あっというまに夕方・・・4部はあきらめて、隣のコンクリの階段に座っていた若い女性に差し上げて、後ろ髪ひかれながら映画館を後にしました。夕方のラッシュアワーでタクシーもすぐには拾えず、サントリーホールには5分前に飛び込みセーフ!
♪~ フィルハーモニア・オーケストラ/エサ-ペッカ・サロネン指揮@サントリーホール
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op.23(P イェフィム・ブロンフマン)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」
一昨日に続いて、サロネン指揮のコンサートです。ソリストのブロンフマンは2012の夏のザルツブルクでブラームスのピアノ協奏曲2番をベルリンフィルとラトルの指揮で聴いて以来です。サロネンとはロサンゼルスでも何度か共演しているとかで、その音楽的な一体感は素晴らしいものでした。ブロンフマンは旧ソ連からイスラエルに移住したという経歴からするとユダヤ人?さきほどの映画ショアが人間の醜さ、残酷さ、計算高さを如実に示しているのに比べるとなんという美しさ!音楽が私たちに与えてくれるこの極上の歓び、人間の善を信じて進んでいくよりないという深い感銘を与えてくれました。サロネンの指揮もクールな趣から次第にいつもの溌剌とした熱気を感じさせ、ストラヴィンスキーの「火の鳥」と宇治の鳳凰堂のフェニックスが私の頭のなかでくるくるダンス(笑)
終演後はさすがに疲労困憊、そそくさと銀座のホテルに戻り、昼のお握りの残りと手持ちのパンなどでお腹を満たし就寝。
3/7(土)
↓ホテルの窓から。歌舞伎座の屋根が見えました。
その歌舞伎座で11時から開演の昼の部へ。チェックアウトのときキャリーケースも宅配で自宅に送り、三越の亀有のお弁当も買って、準備万端。席は後方ですが花道の横をゲット。
*三月大歌舞伎
通し狂言 菅原伝授手習鑑
序 幕 加茂堤(かもづつみ)
桜丸 | 菊之助 |
八重 | 梅 枝 |
斎世親王 | 萬太郎 |
苅屋姫 | 壱太郎 |
三善清行 |
二幕目 筆法伝授(ひっぽうでんじゅ)
菅丞相 | 仁左衛門 |
武部源蔵 | 染五郎 |
梅王丸 | 愛之助 |
戸浪 | 梅 枝 |
左中弁希世 | 橘太郎 |
腰元勝野 | 宗之助 |
三善清行 | 亀 寿 |
荒島主税 | 亀三郎 |
局水無瀬 | 家 橘 |
園生の前 | 魁 春 |
三幕目 道明寺(どうみょうじ)
菅丞相 | 仁左衛門 |
立田の前 | 芝 雀 |
判官代輝国 | 菊之助 |
奴宅内 | 愛之助 |
苅屋姫 | 壱太郎 |
贋迎い弥藤次 | 松之助 |
宿禰太郎 | 彌十郎 |
土師兵衛 | 歌 六 |
覚寿 | 秀太郎 |
この演目は何度か観てましたが、今回の舞台が一番良かったです。人の宿命のどうにもならない悲劇、アクシデントの積み重ねが歌舞伎の伝統的な所作、演技を通して、きらりと現実味を見せてくれます。お芝居を通して私たちが改めて知ることになる、愛する人、大事な人との別れの辛さ。最後に花道を去る仁左衛門の目に涙…泣けました。
お芝居がはねた後はバックひとつで羽田へ移動。羽田18:30→千歳20:05 で帰札しました。
4月の海外遠征が迫っています。家人に遠慮しつつ(?)家事に励みます~。
コメント 0