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2015年春の旅(3)バーデン・バーデン(シュパイヤー) [2015春ドイツ(オペラと美術の旅]

4/5(日)

 朝はまだ気温5度程度と低いのですが、昨日の雨はすっかり上がって、明るい日差しがまぶしいくらい。朝ごはんはフランクフルトの高級ホテルの後は辛いかもと思ったのですが、意外に美味しくて得した気分。

↓イースター卵もついてます。

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 さて、今日は夜のオペラの前に列車でシュパイヤーへ出かけました。ホテルの前のバス停に行きますと、若い日本人の女性の姿。同じ一人旅同志(しかも音楽が趣味)を察知して早速(笑)お喋り。ホテルは劇場の横後方の私と同じようなバスタブなしのカジュアルな宿にお泊りでした。若い方はお仕事がありますから、確か3、4泊でフランクフルトとバーデンバーデンに来られたとか。今日は帰国日で、フランクフルト空港まで行かれるというので、カールスルーエまでご一緒しました。二人とも列車のチケットは未購入でしたから、早速バーデン・バーデン駅構内へ。ところがDBの窓口は閉まっています。なんと!今日は復活祭なので、ビューローは休み、電車も間引き運転らしいことがわかりました。タイムテーブルはNETで日にちも入れて検索してきたというのにぃ~怒。でもシュパイヤーを諦める気持ちにもなれず、行けるところまで行ってみよう~とまずシュパイヤーSpeyerまでの切符を自動販売機で買いました。彼女も空港まで時間の余裕がなく焦っていましたが、同じ列車に乗りました。切符は当日購入なので、フランクフルトの空港まで2等でも45ユーロだそうで、がっかりしていました。毎夏バイロイト音楽祭にも行かれるそうで、かなりのクラシックファンのようです。またどちらかでお目にかかれるかも知れませんね。

 バーデン・バーデン9:28→シュパイヤー11:56(片道17.9EUR)/15:15→バーデン・バーデン17:35

 結局遠回りになってしまったので、予定より1時間近い遅れでシュパイヤー駅に到着。駅から旧市街までは徒歩15分くらいの道のりです。

↓Speyer 駅  

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↓ 途中に古い建物(音楽堂?)改築中なのかも。

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↓やがて、塔門が見えてきました。そこをくぐると中世の街が現れます。

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 シュパイヤーはライン川の左岸に位置。河川交通で繁栄し、7世紀より司教座がおかれた古都です。

↓門からまっすぐの道が大聖堂に向かっています。

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☆シュパイヤー大聖堂(SPEYER DOM) ラインラント・ロマネスク

 聖母マリアと聖ステファノに捧げられたロマネスクの大聖堂。神聖ローマ皇帝コンラート2世が発願し、1030年に着工。1061年にハインリヒ4世によって献堂されました。世界遺産(1981年登録)

↓ベージュとピンクの砂岩がドイツ・ロマネスクの重厚さを和らげて美しい。東西に4本の鐘塔を持ち

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↓ポーチ正面の青銅の扉。下部は旧約聖書の創世記からのテーマ、上部はイエスの生涯が中心のようです。

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↓身廊は建立当時は平天井のバジリカでしたが、1082年以降ハインリヒ4世によって横断アーチを持つ交差穹窿が加構されました。これはドイツ最初の大規模な初期ロマネスクのヴォールト天井です。

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↓ シュパイヤー大聖堂のクリプトは必見です。方円柱頭と交差ヴォールトのシンプルな空間が広がります。

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↓ 中央祭壇近くに変形四葉型の洗礼盤(1100年以後の作)

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↓内陣の反対側、少し高いところにザリエル朝の墓所。コンラート2世など4人の皇帝と4人の王が眠っています。ハインリヒ4世はローマ教皇によって破門され、「カノッサの屈辱」で知られています。

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↓墓所の入り口のライオンの彫刻(1100)コピー?

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↓南側廊に八角形の洗礼堂。下部は聖マルタン、上部は聖カタリナの二重礼拝堂になっています。

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↓ 内陣の磔刑十字架

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↓側廊

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↓西正面方向

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 大聖堂は1755年に一時取り壊され、その後現在みられる中世の様式に再建されました。1961年には老朽化してきたため本格的な修復が行われ、内部も900年前の創建当時の姿に戻されました。

↓外観(北側面から後陣側)

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↓後陣外観

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↓東側には広大な庭園があり、見張り塔や城壁が残っています。

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↓ 南側外観

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 すでに2時近くになり、西側正面に戻りました。事前調査では近くに修道院のビールの飲めるビアハウスがあるらしいので、きょろきょろ→発見!

↓白い建物がそのDomhof Hausbrauerei

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↓入口

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 早速行ってみましたが、予約なしなので満席と断られました。でも図々しいおばばの私は「カメラOK?」と聞きましたら、笑顔で「ヤーヤー」。お言葉に甘えて奥へ奥へ。左右にいくつか部屋が分かれていて、ビールを飲む人たちで大賑わい。

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↓ すると、一番突き当りにビールを出すカウンターがありました。

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↓ カウンターの椅子も空いてましたので、小ジョッキを一杯ぐいっ。美味しいし、ラベルも可愛い~!

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 食事はできませんから、すぐに駅に戻ることにしました。

↓途中の街の風景

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 ランチは駅前食堂で。地元のお客さんで繁盛しています。ドイツ語が分からないので、隣のテーブルの美味しそうなお皿を指さし注文。

↓ サラダバーと鶏肉の煮込みのランチセット。安くて美味しいので◎

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 駅に戻り、急激に冷たい風の吹くホームで15:15の列車を待ちました。駅から見えるのはゴシック様式の聖ヨセフ教会です。寄る時間はありませんでした。

この時、冷たい手をこすりながら、初めて手の甲が3カ所赤く腫れているのに気が付きました。ヒリヒリと少し痛みも。昨夜の熱湯事件が原因です。

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 列車は30分も遅れてきたうえにイースターでダイヤが乱れたのか?ノロノロ運転。ついに途中の駅で降ろされ、後続の列車に乗り換えさせられたりで、予定を大幅に遅れバーデン・バーデンに着いたのは17:30を回っていました。駅前からタクシーを飛ばし、ホテルに10分前に飛び込んで、5分で着替えを済ませ劇場へ。

 今まで、オペラのある日は遠出は原則しないようにしてきましたが、今回は日程が短いこともあって、その禁を破り、そして、その報いを受けてしまいました。イタリアはともかく、ドイツの鉄道DBがこれほどあてにならないとは露ほども疑わずでしたから、後悔の念・・・でもなんとか、開演に間に合ってよかったです。

♪~♪「La Damnation de Faust」18:00~コンサート形式

Sir Simon Rattle Conductor
Joyce DiDonato Margarethe
Charles Castronovo Faust
Ludovic Tézier Mephisto
Edwin Crossley-Mercer Brandner
Berliner Philharmoniker
Staatsopernchor der Oper Stuttgart 

Berliner Philharmoniker

 「ファウストの劫罰」は実舞台はパリとシカゴで観てましたから、今回で3回目。ベルリオーズの色彩感覚あふれた劇的なオーケストレーション、大好きなオペラです。さすがに明確に冴えわたるような管や絃の響き。素晴らしいBPhの演奏でした。またこの公演で一番注目していたのはほとんどロッシーニで聴いてきたディドナートの初役マルガリーテです。まだ耳に残るスーザン・グラハムのマルガリーテが…違和感がぬぐえませんでした。帰国後、英タイムズ紙に絶賛されたというので「え~っ!」私の耳がおかしくなったに違いない(涙)。ファウスト役のカストロノーヴォは初めてでしたが、調子悪かったみたいで、高音も苦しげ。演技が入らない分イケメンの彼には不利だったかも。一方安心して聴けたのは、やはりテジエ、ネイティブなフランス語の発音がこんなにもナチュラルに音楽に溶け込んでいるものかと、再認識。ディドナートも回を重ねるごとに良くなっていくことと思います。努力家ですから・・・。でももうロッシーニは歌わないのかしら?

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 ホテルへの帰り道、朝食の時にお見かけした日本人のシニア女性と一緒になりました。バーデン・バーデンには7泊して音楽三昧の旅とか・・・のんびりで良いですね。私も明日はバーデン・バーデンでのんびり過ごすことにしましょう。火傷の薬代わりに化粧用のクリームを塗りこんで、就寝。


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yk

シュパイヤー2003年に行きました。まだHpは作っていない頃で(一応後からつくりましたが)ちゃんとした写真がない,やっとデジカメになったといっても まだまだメガ数に制限があったころ、何より腕が、、という状態でしたので alice様のお写真、くいいるように眺めました。
秋にイギリスロマネスクの予定(6月のは ふられました)ですが、今度もふられたら、がんばってドイツロマネスク一人で行こうかな、でも一ヶ月前に人数不足でした! なんて言われても準備がまにあいませんよね。せめて 英語の勉強でもしようかしら、と考えてはいますが、 、、ミステリーに埋没。お恥ずかしい。 
by yk (2015-05-29 14:32) 

alice

ykさま、2003年にはすでに大修理も終わってますから、私が訪れた時とはほとんど変わっていないようですね。私もデジカメを使い始めたのが2000年のブルゴーニュの旅でした。今のコンデジは3代目ですが、数年前に一眼レフも加えて、2台で旅の写真撮りに重宝しています。でも、この旅ではなるべく荷物を減らす必要があり、一眼レフは持っていきませんでした。娘のも借りてコンデジ2台体制だったのですが、娘のは最近モデルのせい?勝手が違って、使いこなせませんでした。カメラは慣れが必要ですね。

ツアーは催行されないと、せっかく申し込んだのに~と気分がそがれます(笑)それと最近は、キャンセルをしなければならなくなったときの違約金(3週間前以降は20%~)が怖いです。フリーですと航空券とホテルのキャンセルだけで、ほとんどかかりませんし・・・。

私も海外ミステリーファンです。今は『ナチの亡霊』を図書館から借りています。ジェームス・ロリンズのシリーズものですが、ykさまお勧めの『ケルトの封印』の方が面白かったかも。
by alice (2015-05-30 14:44) 

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