(3-2)平戸 [2015春(長崎・平戸カトリック教会群)]
~続きです。
☆紐差(ひもさし)教会 古い教会から数えて3代目の現在の教会は1929年に鉄川与助の設計施工によってコンクリート造で完成した大教会です。入口までの大階段が特徴のロマネスク様式の建築。明治中期に木造で建てられた2代目の教会は移築されて、佐賀県の馬渡島に残っています。
↓教会前景/二段構えになった大階段・・・青空に映える白亜の美しい教会に見とれつつ、息をきらせながら、頑張って登りました。
↓側面/窓の表情が面白い
↓ 斜面に建てられていますので、階段上の正面入り口は2階になります。
↓内部/三廊式ですが、奥行きは7つのアーチが並ぶ広大なアーケードの身廊。外部から見た窓には明るいステンドグラスがはめられ、色彩があふれています。上部の丸窓がロマネスク風でいい感じ。天井は幾何学的な装飾の折り上げ形式。好みでいえば交差ヴォールトなのですが・・・。
見学が終わり、外階段を下りて行きますと、来るときは気が付かなかった小さな神社がひっそり建っています。和洋を問わず聖なる場所なのでしょう。潜伏キリシタンもお参りしていたのかも・・・。
次は紐差から北東へ5Kほどの宝亀教会を訪れました。
↓高台にある宝亀教会からの眺め
☆宝亀(ほうき)教会 聖ヨセフに捧げられた教会は1898年に献堂。外海からこの地方に移住した潜伏キリストの子孫が、マタラ神父の指導により、建設に労働奉仕。明治初期にみられる洋館風な教会が完成しました。
↓正面/南東向きのファサードは煉瓦造りのモルタル仕上げ。サーモンピンクに白のアクセント。ポーチや壁面は尖頭アーチが配されたシンメトリーなデザイン。洗練されたというよりお洒落~な(笑)感じ。
↓ポーチは煉瓦積に白とグリーンの配色
↓内部/三廊式。ゴシックの尖頭アーチのアーケード。交差リブ・ヴォールトの板張り天井。漆喰壁は信者さんたちが塗ったもの。尖頭アーチに囲まれた窓は掃出しとなっていて、明治の西洋館の雰囲気満点。柱頭のシンプルなデザインも新鮮に眼に映りました。
↓外観/側面は木造で、両サイドにテラスが設けられています。
↓ 宝亀教会で一番好きな部分。フランス風のエレガントなテラスです。
↓後陣はシンプルな方形、横板張り。
そして、平戸島から離れ、今日最後の田平教会へ。
↓平戸大橋を渡り、2Kほど南へ。昨夜泊まったホテルとは湾を挟んだ向かい側が田平です。田平と言えば日本最西端の鉄道駅のあるところです。一人旅であの駅に降り立ったことを思い出しながら、バスに揺られて・・・。
☆田平(たびら)教会 明治初期に着任したド・ロ神父たちの尽力により、出津や黒島から信徒たちが開拓移住。明治12年に小さな仮教会を設けたのですが、信者が増えたため大正7年に中田藤吉神父の指導と鉄川与助の設計施工により新教会を建立。日本26聖人に捧げられたレンガ造りの教会です。
↓駐車場のある後背部から
↓南側面/上部の壁は木の板張り
↓風格のある南側ポーチ/半円アーチ
↓正面/西側に向いた三層からなるファサード、方形の鐘塔
↓西正面ポーチ
↓内部/三廊式、三層(大アーケード、トリビューン、クリアストーリー)の完成度の高いロマネスクの空間。板張りの内装が日本的な趣を持ち、和洋の美しい混淆にうっとり。鉄川与助の最後の煉瓦造りの教会であり高い評価を得ていますが、残念なことに手前に柵が設けられ、先へ進めませんでした。下の写真はすべて、戸口近くから撮ったものです。
↓ステンドグラス
↓北側外観/墓地の方向から
↓ 田平の天使
敷地内に「貝殻焼き場」の跡。煉瓦のつなぎ目に使うアマカワを自分たちで持ち寄った貝殻を焼いて造ったそうです。
↓ 最後に正面の石段から
田平から南へ30Kほどの佐世保市へ。2泊するホテルリソル佐世保にチェックインしました。夕食はツアーに含まれていませんので、添乗員さんたちと駅近くの居酒屋で。近辺で獲れるお魚を主体にいろいろ食べましたが・・・安いのが取り柄でした。
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