(4-1)ミラノ~モンツァ~アルメンノ [2016初秋 ミラノ(ロンバルディア)の旅]
3/24(土)
昨夜は早くベットに入り良く眠れたのですが、4時ごろ目が覚めてしまいました。今日の予定のメインはミラノから北東50Kほどのアルメンノ(サン・トメ)なのですが、列車やバスの移動の多いコースなので不安です。ランゴバルドがらみで、モンツァも訪れるため、平常のベルガモ経由とは違うコースになりますし・・・考え始めると、眠れそうもなく早めに起床。朝食は週末なので7時からです。
ミラノ10:20→モンツァ10:31(2.2€)
今日も朝は12度くらいですが、徐々に気温が上がって10:00にホテルを出発するころは20度以上になり青空の広がる好い天気になりました。中央駅から乗った電車はウィーク・エンドとあってコモ湖方面に遊びに行く人たちで満員電車並みに混雑。10分ほど遅れてモンツァに到着しました。ミラノから北に15K、列車で10分という近さのモンツァですが、今回初めて訪れました。娘たちが10代のころ、F-1グランプリの大ファンだったので、名前は知っていたのですが、ロマネスク美術に興味を持つようになったころ、エミール・マールの『ロマネスクの図像学』にモンツァの名前を発見。ようやく来れました~いそいそと
↓モンツァ駅に降り立ちました。
↓駅から数百メートルで旧市街に入ります。
ドゥオーモを目指したのですが、行き過ぎてArengario(旧市庁舎)まできてしまいました。この周辺は大きな広場もあるのにドゥオーモの塔も見えなくて迷いやすいところです。
↓赤煉瓦造のArengario にアルトン・セナのポスター。レース中に事故死してから20年以上経ってますが、人々の記憶から(特にここモンツァの)消えることはないのでしょう。
上のアレンガリオを背に狭い通りを行くとドゥオーモ広場です。
↓ モンツァのドゥオーモ 修復中の足場がかかり、せっかくの美しい姿が・・・。
↓それに結婚式が行われているようです。白い素敵なオープンカーが新婚カップルを待っています。
☆モンツァのドゥオーモ オリジナルはランゴバルド王国の妃テオドリンダが6~7世紀にかけて建設させた聖堂でしたが、現在の大聖堂は13-14世紀にゴシック様式で改築されたものです。 白と灰緑色の大理石をランダムに組み合わせたファサードは中央にバラ窓、それを囲むような格子柄の意匠が特徴。ゴシックの尖塔をいただいた付け柱も左右対称に6本。左に見える鐘塔は1592-1606に建設されたもの。
↓堂内は17~18世紀にバロック様式に改装されています。結婚式の真っ最中なので遠慮しました。
↓北側廊から中庭に抜け宝物殿へ。
↓中庭から階段を降りると展示室です
☆モンツァ大聖堂付属博物館 Museo e Tesoro del Duomo 古くはランゴバルド時代の遺物からルネッサンス時代のものまで。カメラ禁止。 一番観たかったものは「モンツァの香油瓶」です。想像していたより小さくて(5~7cm)16個がガラスの箱に並んでいました。画像は博物館のHPから拝借しました。
↓「 モンツァの香油瓶」鉛と錫の合金製(6世紀終わりごろ~7世紀中ごろ)ランゴバルドの王妃テオドリンダのギフトでパレスティナの聖地から運ばれたものだそうです。緻密に刻まれた福音書に由来するキリストの諸場面は目を凝らしてもようやく読み取れるかどうか…ルーペが必要です。
エミール・マールの『ロマネスクの図像学 上』にいくつかの記述がみられます。モンツァの香油瓶のパレスティナ的図像が12世紀のロマネスク美術にもたらした影響の大きさについて。「受胎告知」「ご訪問」「キリストの洗礼」などのシリア型図像について具体的な解説。また磔刑のキリストが着衣(長いチュニック)なのはシリア型と初めて知ったのも新鮮な驚きでした。ロマネスク美術に興味を持ったひとつのきっかけともいえるモンツァの香油瓶。細部まで見るのは困難でしたが感慨深いものがありました。
↓ 「七匹の雛と雌鶏」銀に金メッキ/6世紀
↓ 「ランゴバルド王アジルフォの十字架」金/6世紀
↓「スティリコの2つ折りの祭壇画」象牙/5世紀 スティリコ(Stilicho 365 - 408)西ローマ帝国の軍人
またカール4世の生誕700年記念の特別展が開催されていました。ここへ来てから下のポスターを見て、初めて知ったので、時間もなくパス。
* 帰国後、気になって 調べてみました。↓プラハやニュルンベルクでも特別展があったようです。
大聖堂に戻ると結婚式は終わっていましたが、テオドリンダの「鉄の王冠」のある礼拝室はカーテンが閉められています。次の見学時間は12:30との表示にがっくり。10:30からずーっと開けてあるとばかり…早とちりでした。当然礼拝堂の壁画(1444年にテオドリンダの生涯を描いたもの)も見学不可で涙。
↓テオドリンダの礼拝室
↓ 観られなかった「鉄の王冠」(5~8世紀)金に宝石をちりばめ、内側に張られた鉄はキリストの磔刑に用いられた釘を鋳直したものと伝えられています。代々、イタリア王の戴冠に使われました。
↓結婚式が終わって
アレンガリオの近くのカフェで、注文してから作ってくれた焼き立ての美味しいパニーニとカプチーノの簡単ランチを済ませ、駅に戻りました。
モンツァ12:49→ポンテ・サン・ピエトロ13:26/13:39(バス)→アルメンノ・サン・バルトロメオ(Ca del Luf)13:49
モンツァからの列車は順調に走り、ポンテ・サン・ピエトロ駅に到着。
↓バスの切符は 駅に向かって左側のタバッキで購入し、アルメンノ・サン・バルトロメオ行のバス停を教えてもらいました。
バス停はすぐ向かい側のバールの前です。乗客の姿が見えないと、時間前でも出発される恐れありなので、そばに張り付いてました。幸いほぼ時間通りにバスがきて、乗車10分で「Ca del Luf」という停留所に到着。Google earthのストリート・ビューで確かめてあったのですが、一応運転手さんに訊いてから降車。何年か前にロマネスクの先輩kukoさんも歩かれた道を辿りました。不思議に独りぼっちでないような、Kikukoさんも一緒のような安心感がありました。バス停から来た方向に10mほど戻り左折すると↓のような1本の長い道
↓10分ほど歩くと 、ようやくサン・トメ聖堂の案内板
↓さらに数分で突き当りのピンクの家。ここから狭い道になります。
↓ 見晴らしの良い場所にでます。この一本道(左は住宅、右は崖の緑)を進みます。
↓住宅が途切れて、車は行き止まりの山道へ。
↓ サン・トメの案内板も
↓昼間でも薄暗い山道ですが、100mほど歩くと見えてきます。
↓ 歩きの人でしか味わえないナイスなアプローチです。
続きます~。
胸がぎゅっとなるほど懐かしい。大汗かいて歩いた日に、通りに面した家から漂ってきたお菓子を焼く香りまで含めて蘇ってきました。あの道を歩いて来る方はそうはいないと思いますよ。すでにかなり脚の病が進行していて、必死で行った甲斐は十分ありました。あの周歩廊,最高ですよね。
いまごろ見つけて、ハアハア言いながら拝読しています。気を鎮めて続きを読ませていただきますね。
by kikuko (2016-11-16 18:38)
kikukoさま こちら、今雪がちらついています。本格的な冬のまえに落ち着かず、ブログのチェックも忘れ、コメントにも気がつかず、失礼いたしました。このミラノへの旅はKikukoさまのHPがどんなガイド本より役に立ちました。おかげさまで短期間でも中身のぎゅっと詰まった旅ができました。先日は上野公園ですれ違いだったようですが、近いうちにお目にかかって懐かしい話に花を咲かせたいと思っています。
by alice (2016-11-22 11:06)