(5-2)ロンドン(スティニング&ソンプティング) [2018春イングランドロマネスクとオペラの旅]
~続きです。
イギリスのカントリーサイドは車も少なく、穏やかなドライブ日和です。でもあまりエアコンは効かせてくれないので、暑い~!何でもこの日は28度まで上がったそうで、春物の半コート、カーディガンはリュックに詰め込んだままです。ハーダムから南下して途中東に折れて、スティニングへ。スティニングの小さな町に入ると間もなく緑豊かな敷地に建つ教会が見えてきます。
↓教会の入り口の屋根付き門
↓門を抜けると・・・素敵なアプローチ、木陰の道を歩きます。
☆スティニング教区教会Steyning Parish Church
700年頃にはすでに存在していたらしく、St Cuthmanという聖人の伝説が残っています。西からやってきたこの聖人(障害のある母親を伴って)によって町の教会が初めて創建されたそうです。858年にはWessexの王の墓地として重要な場所になりました。1066年のノルマンコンクエストの前にハロルドの所有となっていたスティニングはへスティングの戦いでハロルドが死んだため、教会はノルマンディのフェカンプの修道院に与えられました。現在の教会は12世紀の建築ですが、玄関廊は15世紀の増築、鐘塔は1605年、内陣は19世紀の改修となっています。
↓プラン
↓内部/三廊式の身廊、ポーチから数段降りての空間は低く感じました。
↓
↓きっちり並んだジグザグ模様
↓メインの南扉口はサセックスでも最も古いもの(12世紀)
↓堂内に飾られていた11世紀のお墓のカバー
↓ポーチから出て教会の周りを散策
↓東の内陣外観
↓黄色の花の咲く樹は金鎖?
↓ほぼ市松模様に組まれた石積みが綺麗です
↓お花も野草系の清楚な美しさ、古い教会にマッチしてさすがイングリッシュガーデンのセンス!と感心
待たせたタクシーに戻り、最後の訪問地ソンプティングへ。ショーアムの西南に戻ったのですが、ドライバーさんは初めてだったらしく、高速道路を行き過ぎてしまいました。ソンプティングの個性的な塔を遠望できたので、戻ることができました。ソンプティングの町から離れた田園地帯にあるので注意が必要です。Google earthのMapは必携。
↓屋根付き門の入り口
☆セイント・メアリー教会(ソンプティング)Church Saint Mary (Sompting)
教会の歴史は古く、960年頃に木造の教会(塔、身廊、内陣)が建造され、現在の教会は1080年にノルマン様式で再建されたもの。1154年にはテンプル騎士団が北と南に翼廊を増築。
↓プラン
↓玄関廊(ポーチ)は14世紀
内部の壁は白く塗り直したらしく風情がなく、古い教会には到底見えません。残念。
↓北翼廊は12世紀終わり頃
↓南翼廊
↓タワー・アーチ/半円形のアーチ(サクソン様式10世紀)
↓ここの一番の見どころはサクソン様式のこの塔です。960年にの建てられたラインランド・ヘルメットと呼ばれる屋根を載せた塔は、イギリスで唯一残ったものとして貴重です。ドイツのラインランド(コブレンツ,アンデルナッハ、ケルン)からの影響と考えられています。
↓左の半壊した建物はテンプル騎士団が廃止された後に聖ヨハネ騎士団が14世に増築した礼拝堂の跡です
↓敷地には大木が多く、撮影の邪魔になっています。
ここで今日の行程は終了、ショーアムに戻りました。まもなくやってきたロンドン行の列車に乗車、ヴィクトリア駅へ。もう夕方ですが、ロンドンもまだ暑くてホテルの隣のパブでビールを1杯飲もうと入店。すると今日はサービスデーで1杯の値段で2杯飲めると言います。それならここで夕食もとミートパイをオーダー。いつもお客さんでいっぱいなのは美味しいのではなくて安いからでした・・・。
ロンドン5泊も瞬く間に過ぎました。明日はユーロスターでパリに移動します。