(7-1)ピサ [2018 冬の旅(ベルリン、ウィーン、トスカーナ]
3/1(木)
朝目覚めてカーテンを開けてびっくり!昨夜の雨が夜中は雪に変わっていたようです。屋根や道路の端の残雪が見えました。現在は雨模様ですが、TVではローマやフィレンツェ、ボローニャの雪害のニュースが流されて・・・ボローニャ方面も旅先のもう一つの候補でしたので、不幸中の幸いだったようです。汽車もバスも動かないとお手上げですから。
朝食室で昨夜レストランで隣だった女性がいて、向こうも私に気が付いてにっこり「ボン・ジョルノ」。言葉は交わしませんでしたが、携帯電話の内容が仕事の話のようなので、出張だったのでしょうか。
ベルリンやウィーンの美味しい朝食に比べることは無理ですが、まあそれなりに揃ったハムやチーズ、卵など適当にいただいて、10時過ぎに外出。
ピサは実は3回目なのですが、初回(1991)はツアーで大聖堂、洗礼堂、斜塔の観光。2回目(2004)は、フィレンツェから日帰りで上記に加えてカンポサント、ドゥオーモ付属博物館、シノピエ美術館など回りました。しばらくは2回行ったからもういいかなと思っていたのですが、JACA BOOKの↓『TOSCANA ROMANICA』でピサ様式の聖堂の写真を眺めているうちに(イタリア語なので読めません)いつか機会があったら、ルッカも含めて巡りたいと考えていました。ただ夫の一周忌を済ませてからでは自分の体力気力共に自信がありません。それにいつも旅を応援してくれた夫も許してくれるでしょう~と強行したというわけです。
先ず駅前からは1Kほどの☆SAN MATTEOサン・マッテオ国立博物館へ。一日中雨が降ったのですが、内陸のフィレンツェなどは雪だったのですから、文句も言えません。アルノ川沿いの受付棟でチケットを買い傘を預けて回廊へ。
元はサン・マッテオ・ベネディクト会修道女の修道院で、その一部に開設されました。
↓サン・マッテオ教会も11~13世紀の初期建築のうち一部は残されていて、堂内も展示室になっています。
↓サンタ・マリア・デッラ・スピーナ教会を飾っていた薔薇窓。14世紀に拡張されたときに取り外されたもの?
↓中央のクローズアップした神の子羊
いったん回廊に出てから、別の入り口から階段を上って行きますと、
↓Le croci 磔刑の十字架(12~15世紀)を集めた部屋があります。
↓Pittore pisano作の「Croce di Santo Sepolcro」12世紀
12世紀には何の苦痛もなく優しい顔のイエスですが、13世紀以降になるとくの字に体を曲げた苦痛に耐えるイエスに変わって行きます。
隣室は彫刻の展示室です。中世のコーナーに一昨日ウィーンで観たヘンデルの「SOUL」を思い出す↓Davidの像がありました。すでに中年?王の冠は欠けたようですが、持物の竪琴を奏でながら、なにやら複雑な表情のダヴィテ王です。12世紀。
↓ロマネスク期の柱頭彫刻もいくつか
ゴシック期の彫刻の並ぶ細長い部屋を抜けるとルネッサンス期の絵画の展示室です。
↓マザッチオMasaccio「San Paolo」1426 反射するので斜めから
↓ギルランダイオGhirlandaio「聖会話Sacra Conversazione」1479
別室に特別扱いの祭壇画が1点飾られています。椅子も置かれていてゆっくり鑑賞できます。
↓Simone Martiniシモーヌ・マルティーニ「アレクサンドリアのカタリーナの祭壇画」1319~1320
↓この祭壇画の主役のアレクサンドリアの聖女カタリーナは中段右端
↓その下のプレデッラの聖人は聖ラウランティウス(私の参考書では)となっていますが?
↓Andrea e Nino Pisanoアンドレアとニーノ・ピサーノ「授乳の聖母」1343~1347
まだ雨の降るピサの街、アルノ川沿いの道を300Mほど戻りますと小さなカイロ―リ広場があり、その奥にひっそりと佇むのが
↓☆San Pietro in Vinculis サン・ピエトロ・イン・ヴィンクリス教会です。
以前はサン・ピエリーノ教会と呼ばれていて(参考書ではS. Pierino e S.Felice al Montino)オリジナルは763年ですが1118年に再建。内部は鍵が閉まっていては入れませんでしたが、堂内は三廊式でクリプトの上にアーケードとクリアストーリー2層のバジリカ様式。初期キリスト教時代の石棺を主祭壇にしているそうなので、13世紀のタブローの十字架とともに観たかった。。。参考書によると東側にもロッジア風のファサードがあるようです。
教会の前の細い道を進むとジュセッペ・ガリバルディ広場に出ます。冷たい雨の日でもこの近辺は人通りが多くなりました。広場に続く賑やかな通りに入りますとすぐ右が
☆San Michele in Borgoサン・ミケーレ・イン・ボルゴ教会です。
アーケードの続く狭い通りに面していますので、全体の写真が巧く撮れませんでしたが、メインは上部の3層なので。。。ただ、天気が良ければ青空に白い大理石が映えて綺麗だったでしょう。
創建は11世紀ですが14世紀にファサードはピサ様式のロマネスク=ゴシックに改装されました。上部に設えた3層の小開廊がリズミカルです。内部はまたもや扉は閉まっていて見学できませんでした。ガイド本によりますと三廊式でクリプトの上に内陣がせりあがり後陣は備えていないとのこと。先ほどのサン・ピエトロ・イン・ヴィンクリス教会も同様でした。
この近くのレストランで赤ワインとパスタ一皿のランチを済ませました。
ジェノヴェーゼソースのパスタにワインとカフェで14.50€でした。
続きます~。