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2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅 ブログトップ
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2014初夏の旅(15-2)ブレッド湖 [2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

~続きです。

 午後からは湖に浮かぶブレッド島と湖畔の小高い丘に建つブレッド城の観光です。

 ↓睡蓮の咲く湖畔で泳ぐ人も

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 湖畔のボート乗り場に戻り、現地ガイドさんと共にプレトナ舟(手漕ぎボート)でブレッド島へ。この湖では船は動力が人力以外は許可されていません。環境を保つ努力もがあってこそ、湖水はこんなに綺麗なんだと納得でした。

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 島に上陸し、99段の階段を登って聖マリア教会へ。ここはスロヴェニア人にとっては憧れの結婚式場だそうです。この教会で式を挙げる新郎は新婦をお姫様抱っこしてこの階段を登るのが習わしになっています。結婚が決まると挙式までに男性はボディビルなどで体を鍛え、女性はダイエット・・・。最近は男性カップルがここで挙式をして話題になったそうです。

 ☆聖母被昇天教会(Church of Assumption)

 教会の創建は7世紀といわれていますが、後の度重なる増改築のため、現在は17世紀のバロック様式の教会になりました。小さな教会内部は単廊式で、鐘楼の鐘を鳴らす綱が1本、ぶら下がっています。これを鳴らすと望みがかなうと伝えられています。希望者が順番に鳴らすのかと思えば、かなり力が要るので、数名がかりで鳴らしました。

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↓ ボートが出るまで島を散策。目が洗われるように美しい湖水に魚も・・・。

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 次はブレッド城へ。100Mの高さの断崖に建っています。徐々に午後の日差しが強くなり、急こう配の坂や階段をようやく登りました。

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↓ようやくお城に到着。ここからの眺めはスロヴェニアの絵葉書の定番になっています。

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↓ お城の礼拝堂

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↓ 城内の博物館で

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↓ ワインセラーでは修道士姿の店員さん?が売込み中でしたが・・・。

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 お天気に恵まれて、ブレッド湖の素晴らしい眺望を楽しめました。夕食はホテルから歩いて数分のカジュアルなレストラン(VILA PRESEREN)にて。湖にごく近く、扉はすべて開放され、暮れゆく湖を眺めつつ美味しい食事を楽しみました。

 カメラを忘れ、携帯も電池切れで写真なし。旅行社から頂いたメニューではキノコのクリームスープ、モッツァレラチーズのグリル/生ハム巻、白身魚のフィレとポテト/ローズマリー風味、クリームケーキ(ブレッド湖のご当地スイーツ)でした。地元のワインを添乗員さんに選んでいただいて乾杯!添乗員さんはワインに詳しい方で、予算やお料理に合わせていつも的確なチョイスをしてくださって、有難かったです。ツアーの宴会も暗くなると蚊が出てきましたので、お開き。涼しくなった湖畔をほろ酔いで宿に戻りました。


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2014初夏の旅(15-1)ブレッド湖 [2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

6/15(日)

 今日は一日ブレッド湖の観光です。いつもは目の色変えて(笑)オペラと美術館、ロマネスク巡りに徹していますから、風光明媚な湖畔の観光は新鮮な体験でした。朝起きるとカーテンの向こうにうっすらと靄のかかったブレッド湖の姿・・・なんとかお天気になりそうです。

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 人気の観光地とあって、日本人、韓国人、一番多いのはイタリア人で満員状態の朝食室。9時にロビー集合、参加者17名で湖畔の散策へ。

↓ブレッド湖に浮かぶ小島(ブレッド島)

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 ユリアンアルプスに囲まれたブレッド湖は「アルプスの瞳」と称され、パプスブルグ家のリゾートにも利用されました。ミニトレインで湖畔を一周した後、ボート乗り場から出発するレガッタを見物したり、朝の澄んだ空気を吸って、気持ちの良い散策でした。

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 小さなスーパーマーケットでお水や絵葉書を買って、いったんホテルに戻り休憩。お昼に再度ロビーに集合してバスで昼食のレストラン「ヴィラ・ブレッド」へ。

 ホテル「ヴィラ・ブレッド」は元チトー大統領の別荘だったところで、広大な敷地に建つ、少々厳めしい感じの建物です。

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 ↓テラス席からの眺めはブレッド島が近くに見えます。しばし撮影タイム。

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 ツアーで初めての食事でした。最初はどんな方たちかと多少は緊張するものですが、同席した方たちが、幸いにもイケる口の一人参加のシニア女性たち!飲み友としてこの後もテーブルをご一緒する機会が多く、毎度楽しく食事タイムを過ごすことができました。

↓ テーブルの花(ガーベラ)。まずはきりりと冷えた地元の白ワインで乾杯~。

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↓ 前菜のアスパラガスのクリームスープ

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↓ メインはビーフステーキ

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 デザートはチョコレートムース、アイスクリーム添え(写真忘れ)。すべて、美味しくいただきました。

 続きます~


タグ:ブレッド湖
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2014初夏の旅(14)ベルリン~ヘルシンキ乗換~リュブリャーナ [2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

6/14(土)Berlin(Tegel)12:10→Helsinki(Vantaa)15:00/16:50→Lubljana18:30

バスで....ブレッド湖畔へ。 Bled Lakeside/Hotel Golf 2泊

 ベルリンの贅沢な朝ごはんともお別れです。私たちが話しているのを聞いて、サービスの娘さんが笑顔で、テーブルへ。週末だけのアルバイトをしている大学生(お父さんはドイツ人)でした。背が高くて美人さん。小学高学年まで日本に住んでいたそうですから、日本語もお上手です。日本人のお客さんも多いので、シェフも喜んでくれてるとのことでした。この時まで焼き立てのワッフルやパンケーキがあることを知らなかったので、彼女の勧めで、オーダー。多分、ランチは飛行機内の不味いサンドイッチくらいでしょうからと、お腹いっぱいいただきました。

↓大満足のベルリンのホテル(ザ・マンダラ)。Booking.comの評価で初めて満点をつけました。

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 ヘルシンキ空港の搭乗口で、日本からほぼ同じ時間に到着したW社のグループの方たちと合流することになっています。ところがJTBや阪急などの方たちはいましたが、W社の添乗員さんは見当たりません。日本からの飛行機は間違いなく着いています。30分ほどしてから現れてほっ。乗り換えのチケットを紛失した方がいて手続きに行かれていたそうです。

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 リュブリャーナ空港に到着し、早速ツアーのバスでブレッド湖へ。スロヴェニア&クロアチアはブレッド湖よりもオパティアやポレチュのイストラ半島のほうが魅力だったのですが・・・。前半の音楽の旅に合わせたため、日程や費用など、選択の余地はあまりなかったのです。それでも、夕方の湖畔の宿に荷をとき、ベランダへ出ると目の前に広がるブレッド湖の景観が・・・「き綺麗~!」。

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↓ 眺めの良い部屋

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 天気予報では明日からは崩れるということでしたが・・・心配しながら就寝(結果的には思いっきりはずれ、ザグレブだけ一時小雨)。


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2014初夏の旅(13-2)ベルリン(ヒルデスハイム) [2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

6/13(金)

~続きです。

↓ ヒルデスハイムの博物館から聖マリア大聖堂はすぐ近くですが、城壁に囲まれて道が分かりません。きょろきょろしているとトンネルの道がありました。ここを抜けると

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↓ 大聖堂(ドーム)の広場に出ます。工事中なので柵で囲われ、見学できませんでした。

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☆聖マリア大聖堂(ドーム)Dom zu Hildesheim

 聖ミヒャエル教会とともに1985年に世界遺産に登録されました。9世紀に古くからあったチャペルの上に建立されたのが始まりとされています。その後11世紀にオットー朝様式で司教ベルンヴァルトによって再建。その後の11、12世紀の増改築により「ザーリア―・シュタウフェン朝ロマネスク建築」に位置づけられています。1945年に戦災に合い、大きなダメージをうけました。その後西ファサードは12世紀、他は15世紀に復元されました。しかし、優美な内部は失われたままだそうです。パンフレットの写真では柱頭彫刻もないようです。併設の大聖堂博物館には金細工などの工芸品が収蔵されているようです。1140年のGotthard Shrineや Epiphanius Shineなどの金細工や1225年のブロンズの洗礼盤など。見学できなくて残念でした。

↓ 質実剛健、シンプルなファサード。12世紀

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↓ドーム広場の案内図に従って、聖ゴーデハルト教会へ。

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↓ 途中で少し迷いましたが、旧市街の美しい小道を散策。

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↓まもなく教会が見えてきました。周りの民家も趣のある建物が並び、素敵なエリアです。

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☆聖ゴーデハルト教会 Basilika St.Godehard

 1133年に開基起工、1172年に献堂されました。ヒルデスハイムの司教ベルンヴァルトによると参考書には書かれていますが、1022年に亡くなっていますので?教会の名前になっているゴーデハルトはベルンヴァルトの後継者でした。ザーリア朝ロマネスクの教会。

↓ こちらは黄色の野薔薇を背景に北側外観。

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↓南側外観。野原になっていますが、回廊があったのかも。

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↓内部は3廊式のバジリカで、東内陣方向を観たところ。聖ミヒャエルと同じ両端内陣、平天井、西内陣の両脇に角塔。礼拝室付き内陣回廊は当時のドイツでは唯一(フランスの影響)だそうです。外観のそっけなさから見ると、淡いピンクやブルーの彩りが華やか。見学者は私一人だけ。

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↓ 壁掛けの燭台。新しいものかもしれませんが、ロマネスクスタイルで可愛らしい。

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 これでヒルデスハイムのロマネスク巡りは終了、町の中心に戻りました。途中雨が降ってきてましたが、マルクト広場へ。

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↓ 木組みの家などドイツの古い建物で囲まれた広場のカフェで、軽く昼食。定番のビールとソーセージ(自家製)にパンも美味しかったです。

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↓駅までの通り。ヒルデスハイムは活気のある古くて新しい街です。

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 そしてベルリンに戻りました。夕食は久しぶりに日本食。サビー二・プラッツに近い串カツのお店(神戸が本店)で。予約は日本語でもOKでした。

↓ 野菜や串カツ、おにぎりなど美味しくいただいて

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 明日からはツアーでスロヴェニア、クロアチアに行きます。


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2014初夏の旅(13-1)ベルリン(ヒルデスハイム) [2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

6/13(金) Berlin HBF9:01→Hildesheim11:01/15:55→BerlinHBF18:03

  今日は友人とは別行動で私はひとりでヒルデスハイムまで日帰りのロマネスク巡り。友人はホテルからも近い新ナショナルギャラリーへ。

↓朝7時に一番乗りで朝食をとったあと、ベルリン中央駅へ。ここは6年前にドレスデンへ行ったときに来たことがありました。

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↓ ホームへのエスカレーターの表示。同じNOのホームから時間差なしで行き先の違う電車が出るので注意が必要です。私の乗った特急はミュンヘン行きでした。事前にドイツ国鉄DBのHPから予約し、チケットはプリントアウトして持参しました。

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↓ 2時間ほどの列車の旅(ベルリンからは乗り換えなし)でヒルデスハイムの中央駅に到着。GOOGLE EARTHで確かめていた道を歩き、10分ほどで聖ミヒャエル教会が見えてきました。

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☆St.Michael's Church 聖ミヒャエル教会(ヒルデスハイム)

 ベネディクト派の司教ベルンヴァルド(在位993~1022)によって996年に起工され1033年に献堂。1022年未完成のうちにベルンヴァルドは没し、自ら設計した西クリプトに埋葬されました。後は司教のゴーデハルト(在位1022-1038)によって完成。数少ないドイツ・オットー朝の初期ロマネスク様式の前触れとなった遺構のひとつ。

↓ 後陣側から。薔薇の美しい季節に訪れることができてラッキーでした。

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 なお、ヒルデスハイムには世界遺産の樹齢千年の薔薇の木が聖マリア大聖堂(ドーム)にあるとのことです。この後ドームに立ち寄ったのですが、大修理中のため周りは柵で囲われ見学不可でした。

 裏庭から回廊らしきアーチがガラス越しに見えたのですが、ドアは閉まっていました。

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↓ 裏庭の塀に掲げてあったレリーフの断片

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↓南側面 修復の度ごとに壁面の色も変わっていて統一性に欠けるのですが

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↓ 西正面はさすがの風格、両脇に控える円や方形の塔が圧倒的な存在感を放っています。中央の身廊に2つの扉口。窓はゴシックに改装されています。

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↓ 1945年3月第二次大戦で爆撃を受け、ほぼ壊滅状態でした(教会ののパンフレットから)。しかしこの年の秋には復旧が始まり、1950年にはオリジナルの1050年頃の状態に修復されました。1985年に世界遺産に登録されました。

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↓ 後陣外観

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 さて中に入ってみますと、教会関係の昼食会でしょうか、テーブルが並べられお世話役のマダム達が忙しそうに準備中でした。会が始まる前に見学を済ませたほうがよさそうです。見学を急ぎました。

↓東から西内陣を観ます。木の天井は13世紀の初め(第二次大戦時には外され別所に保管)。3廊式の赤白の切り石によるアーチが明快な印象です。

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↓ 東トランセプト。東西に内陣のある教会は珍しく、10年ほど前に訪れたサルデーニャ島の北の港町ポルト・トッレスの教会も両端内陣だったことを思い出しました。カラフルで華麗なここミヒャエル聖堂とあの素朴で古めかしいバジリカ。。。当然(笑)好みはサルデーニャです。

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↓大聖堂が改装中のため臨時にこちらに移されていた青銅の円柱。元は聖ミヒャエルにあったものですから、お里帰りです。この後に美術館で観る青銅扉とともに、ここの聖堂建設に尽力したベルンヴァルド司教が鋳造させたものです。イエスの生涯が24場面にらせん状のコイルに沿って彫られています。

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↓ 「イエスと12人の弟子たち」

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↓「イエスの奇跡」水をワインに変える場面

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↓ ハンセン病患者の治癒

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↓ 踊るサロメ

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↓ 天国の川の擬人像。4つあったはずですが・・・。足元にあるので「ここにいたのね!」と声をかけたくなるくらい、上を見上げる顔の表情が自然で好ましいです。

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上の方は高さがあり良く見えませんでしたが、それぞれの場面のイエスの表情やしぐさが威厳の中に優しく包み込むようなところもあり、素朴なロマネスクを愉しめました。

↓柱頭彫刻も多数

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↓ 天使のスクリーン(内陣障壁)12C

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 身廊に並ぶ円柱はオリジナルのオットー様式のものは2柱頭だけで、他は12世紀終わりころのものとのことですが、焦って撮ったため、どこにどんな柱頭があったのか位置関係がつかめず・・・。

↓ 南側廊のアーケードを飾る聖女たち?のオーナメント。

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↓ 司教ベルンヴァルドが埋葬されている西クリプトへ。実際は地下聖堂ではなく地上階にあり、上部の西内陣はかなり高いところに設けられています。

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 素晴らしいオットー朝建築の至宝を後に緩やかな坂道を南に300Mほど下り、ヒルデスハイム博物館へ。ここにロマネスク巡礼には欠かせない聖ミヒャエル教会の聖堂の扉が展示されているのです。通常は大聖堂にあるのですが、現在の大改修中の期間だけ、ここに移されているのです。

 この博物館はエジプトのコレクションで有名らしいのですが、案内の係りの方も慣れたもので、私が「ザンクトミヒャエルのブロンズドアが見たいです」というなり、それならそこの左の部屋へ行ってね~」と話が早いのです。専用の展示室は明るく、2枚の聖堂の扉の前にはベンチもあって、休み休みじっくり鑑賞できました。

↓「ベルンヴァルドの青銅扉」

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↓ 全部は紹介しきれませんが、左扉(旧約聖書の創世記)から上「エヴァの創造?」、中「エヴァをアダムに会わせる神」、下「誘惑」

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↓ 上「罪の否定」、下「楽園追放」

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↓ 上「労働するアダムとエヴァ」、下「カインとアベルの捧げもの」

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↓ 上の子育てをするエヴァのアップ。「聖母子」に見えますね。

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↓ 左扉一番下に「アベルを殺すカイン」(部分)

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↓ 右扉は新約聖書のキリストの物語。上「我に触れるな」、中「聖墳墓参り」、下「磔刑」

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↓ 上「ピラトの前のキリスト」、下「神殿奉献」

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↓ 上の「ピラトの前のキリスト」のピラトと悪魔のアップ

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↓ 上「マギの礼拝」、下「生誕」

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↓ 右扉一番下の「受胎告知」の天使(部分)

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 ヒルデスハイムの青銅扉でユニークなのは人体の表現にあります。下半身から上半身に向かって次第に立体感を増し、頭部は前方に突き出しています。扉の下から見上げる視線の角度を考え鋳造されたのは、青銅だからこそできた技法でしょう。単なる観る聖書を超えて身近な生活、それぞれの人生に思いを巡らすことにも繋がり、親しまれたことでしょう。

 ベルンヴァルド司教が手掛けた青銅の扉と円柱の原点はローマ滞在中にあったことは明白でしょう。サンタ・サビーナ教会の木彫扉とトラヤヌスの記念円柱に着想を得、ドイツの鋳造技術を駆使した見事な作品です。これらを観ることは長年の憧れでしたが、ドイツ中世美術まではなかなか手が回らない状態でした。ベルリンから往復4時間もかかる日帰りです。多少、無理してもヒルデスハイムに来たかったのは、昨年のライヒェナウ訪問がきっかけになったのかも知れません。

続きます~


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2014初夏の旅(12)ベルリン [2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

6/12(木)

  朝、カーテンを開けると青空が見えてほっとしました。ザルツブルクに比べると気温はかなり低く、涼しく、過ごしやすいベルリンです。ホテルの真ん前のバス停から200番の美術館島方面行きのバスに乗車。

↓ ウンター・リンデン通りのフンボルト大学。古本市も健在です。

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↓ ノイエ・ヴァツへ(国立戦争犠牲者追悼所)にも久しぶりに寄ってみました。入口右に日本語の解説版もできていました。内部中央にケーテ・コルビヴィッツの「ピエタ」。母と戦死した息子の像(コルヴィッツも第一次世界大戦時に息子を亡くしています)

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 宗教色のない追悼所は飾りなどもなく、天井のトップからの光がピエタ像に差し込み浄らかで神々しいのです。反戦の誓いを改めて胸に刻みました。

 それから美術館島の北端にあるボーデ美術館へ向かいました。いつもは観光バスでぎっしりの通りですが、ペルガモン博物館の表玄関は改修中のため1台も止まっていません。別の臨時の入り口から見学はできるようでした。

↓ペルガモン博物館

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 ☆ ボーデ美術館 BODE-MUSEUM(2)

   美術館島北突端に位置する三角形の歴史的建造物(1902年創建)。1997年に改修のためいったん閉鎖し、2006年秋に再オープン。私の初訪問は2007年5月でした。今回は友人が初めてなのと、ビザンティン美術のコレクションをじっくり観るために来館しました。

 玄関ホールのグランド・ドームを抜けてバジリカと呼ばれる教会スタイルの展示室へ。ロッピア一族のテラコッタの彫刻など。イタリアのフィレンツェやボローニャからの作品(15~16世紀)などが両側の壁に沿って展示されています。

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 そして、イタリアルネッサンスからバロックの部屋をいくつかまわりました。

↓「受胎告知のマリア」シエナ派(1420)

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↓ 「ペンテコステの衝立」(1478)Alvise Vivarini(1444~1504/5)

ベッリーニ一族と並び15世紀のベネチア絵画の二大流派だったヴィヴァリー二一族の画家(始祖Antnio Vivariniの息子)。温雅な線と肉付け、明るい色調が特徴ですが、ジョヴァンニ・ベッリーニの影響も大きく受け、遠近法による壮大な画面構成など、ヴィヴァリー二派に革新をもたらしたと言われています。

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 続いてドイツルネッサンス~バロックです。

↓Tilman Riemenschneider(1460~1531)「聖ゲルギウスとドラゴン」

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↓Michael Erhart(1460~1531)「聖母子」(上)「慈悲の聖母」(下)

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↓ Michael Pacher(1435~1498)「悲しみのマリア」

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 そして今日のハイライト、ビザンティン美術の展示室へ。

↓ 「慈愛のキリスト」コンスタンティノーブル

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↓「孔雀のレリーフ」11~12C コンスタンティノーブルの市壁の碑文

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↓「大天使ミカエル」(右)「神の母としてのマリア」(左)13C

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↓ 「サン・シモンのパネル」シリア5~6C

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↓「包囲された町から解放された人々」5C

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↓ ラヴェンナのモザイク

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 続いてエジプトのコプト美術の部屋へ。

↓ 墓石(5C)

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↓ 柱頭彫刻6C

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↓「馬上のキリストと天使たちのレリーフ」6~7世紀

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↓ 最後に木彫のフリーズや扉口リンテル(6C~7C)を珍しく眺めました。現在のエジプトからは想像もできませんが、緑豊かな森林があったのでしょう。

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  ボーデ美術館を後にシュプレー川岸を散策。午後の日差しが燦々と降り注ぎ暑くなってきました。

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 大聖堂の前からバスでポツダム通りに戻り、ホテルの向かい側のソニーセンター近くのビアレストランで遅い昼食をとりました。

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↓ 店内にビアタンク

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↓ もうたまらなく旨いぃ~!ハウスビールにソーセージや肉団子の盛り合わせ。

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 夜はベルリンフィルのコンサートです。夜食用にホテル裏のショッピングセンターのお惣菜屋さんでサラダやパンなど調達。休憩ののち徒歩数分のフィルハーモニーホールへ。

♪BERLINER PFILHARMONIKER 86 定期演奏会 20:00~

 指揮:GUSTAVO DUDAMEL(MARISS JANSONSは病気のためキャンセル

プログラム

 Harrison Birtwistle
"Dinah and Nick's Love Song" (8:52)

Gustav Mahler
Symphony No. 3 in D minor (1:48:49)

Gerhild Romberger Mezzo-Soprano, Damen des Rundfunkchors Berlin, Tobias Löbner Chorus Master, Boys of the Staats- und Domchor Berlin, Kai-Uwe Jirka Chorus Master

 ヤンソンスがキャンセルになったことを知ったのは席について、プログラムを開いた時でした・・・なんということでしょう。もうがっかりしましたが、初めてのフィルハーモニーのホールで聴くBPHの演奏ですから、気をとりなおして臨みました。席は5列目左寄り。

 ロマンティックな小品の演奏が終わり、続いて長大なマーラーの3番が始まりました。生で聴くのは初めて、しかもコンサートマスターは樫本大進。お馴染みの名手たちによる豊饒な響きに心が震えるような第1.2.3楽章に続いてメゾの独唱。落ち着いた低い声は大地の母のよう。そして女声合唱団と児童合唱団の優しく清らかなコーラス、次第にマーラーの世界に引き込まれていきます。美しいオーストリアの湖や山々が目の前に広がり、創造主への大いなる賛美。音楽の素晴らしさをフィナーレがここぞとばかりに盛り上げて、1時間50分の長さを感じることもなく終了。「まだまだ聴きたかったわね~」と友人と感動を共にしつつ、ホテルに戻りました。

追記:新しいi Pad airを帰国後購入。というのは以前のi PadはBPHのデジタルコンサートはバージョンが古く、聴くことだできなかったのです。以前のはi Pad新発売時から(5年くらい)、特に旅に持ち歩き重宝しました。まだ愛着があり、手元に残しています。古いi Padで数独しながら新しいi Pad airでベルリンでのこのコンサートを聴くという贅沢♪~してます。


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2014初夏の旅(11-2)ベルリン [2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

6/11(水)

~ベルリンの続きです。

 旧ナショナルギャラリーが初めての友人を残し、私は初訪問のNUES MUSEUMへ。ネフェルティティに21年ぶり!に会いに行きました。

☆新博物館(NUES MUSEUM)

 元の建物は1843~1855の間に公的な美術館として、美術館島では2番目に建てられましたが、第二次大戦時に深刻な被害を受けました。その後は長い間閉鎖されていましたが、1991年の東西統一後、修復の計画が持ち上がり、2003年から工事が始まり、2009年に70年ぶりに再オープンしました。初回訪問した1993の美術館島はペルガモン博物館しか観ませんでしたが、手前の建物の壁に弾痕が無数にあったことは記憶にあり、やはりあの建物が新博物館だったのです。館内は290億円という巨費をかけただけあって、プロイセンの古典様式が美しく重々しくよみがえり、それに近代的なホールを設けて、ロッカーや休憩ベンチなど利用者に使いやすくなっています。

↓ 旧ナショナルギャラリーの西隣にある新博物館。サイトから拝借

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 昼食がまだでしたので、一階奥のカフェへ。細長く狭いところなので混んでいましたが、数分待ってテーブルへ。ここのメニューは凝っていてここのお宝エジプトの王妃様に合わせて?エジプト風なんとかとか・・・北アフリカや中近東フードの名前がついたものも。迷いましたがメニューを読めず、サービスの人は大忙しなので尋ねることもはばかれ、結局はハムと野菜のサンドイッチ。

 ネフェルティティは何処?と探しているうちに迷い込んだのが、なんとラッキー!「初期中世美術の部屋」それもメロヴィング朝美術も含まれたレアもの。メロヴィング美術は花や鳥のモチーフや幾何学模様が多く、その後のカロリングやロマネスクに比べると地味ですが、フランク王国のクロヴィス1世(在位481~511)がキリスト教の洗礼を受けたことで花開いていきます。古い時代だけに遺物はあまり多くありませんが貴重な体験になりました。

↓墓碑(ローマ時代後期)。フランク王国誕生の時期と重なるため展示?

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↓ 石棺の蓋?(上部に蛇の浅彫り)

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↓ 装身具

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↓石棺(北イタリア、ランゴバルドからカロリング美術に影響を与え、西ヨーロッパに伝播していきます)

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↓ アーチ(キボリウム)

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↓洗礼盤

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↓ 聖遺物箱(シリア5~6C)

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 隣の部屋にはアマルナ美術の珠玉のような小品

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 そしてここだけは写真撮影禁止の王妃ネフェルティティの胸像が防弾ガラスとガードマンに守られて、優雅な首筋・・・。21年前はシャルロッテンブルグ宮殿の近くのエジプト美術館に収蔵されていました。前年1992年のエジプト旅行で初めてベルリンにあることを知って、娘たちと見に行ったことが思い出されました。

↓ 博物館のHPから拝借

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↓ 見学後隣室のギリシアの少年像のあたりからパチリ。遠かったけれどガードマンがダメって手を交差していたような・・・。

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 バス停に戻り200番のバスでポツダム通りのホテルに帰りました。このバスはウンターリンデン通りが地下鉄工事のためブランデンブルグ門の前は通らないで、2ブロックくらい手前で左折しました。↓ 国立歌劇場もまだ工事中ですし、いつになったら完成するのかしら?

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 さて、旧ナショナルギャラリーと旧博物館の2館を閉館近くまで独りで堪能した友人も無事帰ってきました。今夜はシラー劇場のヘンデル「時と悟りの勝利」です。

♪Handel : Il trionfo del tempo e del disinganno

Conductor Marc Minkowski Sébastien Rouland
Producer Jürgen Flimm, Gudrun Hartmann
Sets Erich Wonder
Costumes Florence von Gerkan
Lighting Martin Gebhardt, Sebastian Alphons
Choreographer Catharina Lühr
Dramaturge Ronny Dietrich, Detlef Giese
~
Bellezza Sylvia Schwartz
Disinganno Delphine Galou
Tempo Charles Workman
Piacere Inga Kalna 

19:30~Schiller Theater 

↓ 2年前の冬に聴いていました。

http://alice2005.blog.so-net.ne.jp/2012-02-10-1#comments

 再び今回の旅のスケジュールに入れたのは初回の感動が色あせず残っていたことが大きかったのですが、残念なことにミンコウスキが疲労から来たと思われる発熱のためキャンセル・・・涙。1999年のエクサンプロヴァンスで初めて巡り会ってから私のオペラの旅では欠かせない指揮者なのですが、初めてのキャンセルに遭遇しました。代わりに指揮台に上ったのはセバスチャン・ローラン。キャスト4役は前回と同じなのが救いでしたが、シュヴァルツが痩せてますます美しくなったのは良いのですが、その分声も痩せてしまったのか・・・残念。代役指揮者の評判が悪く、ある程度は覚悟してきましたが、この公演が最終とあって、オーケストラMDLGの奮闘もあり、まあまあかな~。総体的にスケールが一回りしぼんじゃった感じは致し方ないでしょう。

 席は前回と同じ、2階席最前列中央でした。小ぶりのシラー劇場、ホワイエのステンドグラスも美しく、友人もここが臨時の劇場なの?と不思議そう。そして、日本では上演の機会がないと思えるヘンデルのバロックにすっかり魅せられたようでした。シラーでは珍しい日本人のグループも見かけました。明日のベルリンフィルのついででしたでしょうか?


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2014初夏の旅(11-1)ベルリン [2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

6/11(水)

 今にも雨が降り出しそうな朝でした。今日の予定は美術館島のミュージアムを2つほど見学し、夜はシラー劇場のオペラです。

↓ 朝食はホテル内のレストランで。さすがに入口からしてゴージャスです。エレベーターホールから写しました。

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↓ 緑に囲まれた爽やかな空間で美味しい朝ごはん。

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↓フレッシュジュース、パン、小皿に盛られたお料理など。他には注文で卵料理やパンケーキ、ワッフルなど焼き立てがいただけます。

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 ホテルの前のバスを利用して美術館島に行くつもりでしたが、アレキサンダープラッツからもそう遠くないので、少し遠回りしました。

↓ アレキサンダープラッツのバス停から美術館島まで。シュプレー川に沿って歩いていきますと、もう終わったのかと思っていたのですが、あちこち工事中。ウンターリンデン通りの地下鉄工事やペルガモン博物館など、ベルリン大改造中です。

 博物館島に初めてきたのは1993年でした。新博物館に改装される前の建物は壁面に大戦の爆撃の弾痕がまだ残っていました。今回初めて新博物館も入れましたし、東西統一後のプロジェクトが一層進んだことを実感できました。

↓ ベルリン旧博物館(ALTES MUSEUM)は入らずに通過して、裏に建つ旧ナショナルギャラリーへ。

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 ☆旧ナショナルギャラリー ALTE NATIONALGALERIE(2)

 初訪問は2003年でしたから10年ぶり。エレベーターで3階まで行き、まずフリードリヒ(Caspar David Friedrich)の部屋を中心に鑑賞しました。以前とは変わって、カメラOKになっていました。

↓ フリードリヒ「孤独な樹」1822 絵葉書

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↓「海の月の出」1822  絵葉書  この2点は村と海の風景として対画として描かれたそうです。

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 イタリアの彫刻家ブガッティREMBRANDT BUGATTIの特別展が開催されていました。通常の展覧会とは異なり、それぞれの展示室の中央に動物の彫刻を配するというユニークなもの。絵画をバックに、エネルギーに満ちたアニマルのブロンズ像はなかなか素晴らしい効果を生んでいました。

  REMBRANDT BUGATTI(1884~1916) ミラノ生まれ。有名なアールヌーボーの家具や宝石のデザイナーを父に、裕福な家庭に育ちました。兄は世界的に知られた自動車製作者となり、叔父は画家のセガンティーニという芸術的な環境。18歳の時一家はパリに移住し、パリでの彫刻家としての修業と静かな植物園やアントワープの動物園でのスケッチを愛する青年として成長しました。第一次大戦で、ボランティアとして働いた軍の病院での過酷な体験、アントワープの動物園の飼料不足から始まった動物たちの殺処分と、繊細な彼は次第に精神を病み、絶望し31歳の若さで自殺してしまいます。彼の愛した動物たちの命の輝きと野生の瑞々しい肢体はブロンズに永遠に残りますが、平和であれば自殺に追い込まれることもなかったでしょう。

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↓ ホドラーをバックに牛の親子

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↓ ドイツ印象派マックス・リーバーマン「ラーレンの亜麻糸工場」1887

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↓フランツ・フォン・シュトラック「魔女キルケに扮したTilla Durieux」1913

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 きりがないのでこの辺で。外に出ると雨が降っていました。すぐ隣の新博物館へ走って入場。

続きます~。


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2014初夏の旅(10)ザルツブルク~ベルリン [2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

6/10(火)Sarzbulg15:00→Berlin16:05(Air Berlin)

ベルリン/ザ・マンダラホテル4泊

 昼過ぎの出発までレジデンツと呼ばれる司教館のなかにある美術館の見学をしました。2005年と2006年の2年連続この中庭で、モーツアルトの「ポントの王ミトリダーテ」を観たことがありました。仮設の劇場で、夜間はかなり寒くなって震えながら観たことなども懐かしい~。最近はここではオペラの上演はないようです。

建物自体は古めかしくバロックの華やかさはあまりありませんが、壁一面に飾られた絵画や陶器の暖房ストーブの部屋を巡り、最後にブック・ショップにでました。そしてその奥に16Cから19Cのヨーロッパ絵画を集めたレジデンツギャラリーがあります。レンブラントの「老婦人」(1629/30)や

↓フランソワ・ブーシェ「夢見る羊飼いの娘」(1760/63) 絵葉書

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↓Ferdinand georg waldmüller「窓辺の子供たち」(1853)絵葉書

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 つい最近Dom Quartierとして大聖堂やレジデンスを上階の回廊でぐるりと廻れるように整備されたようです。このシステムに気付くのが遅かったので・・・共通チケットを購入した方が割安でした。

 ホテルに戻り、荷物をピックアップしてTAXIで空港へ。ヨーロッパ内を移動するときに使うことの多いベルリンエアーですが、1時間ほど遅れて離陸、ベルリン・テーゲル空港に飛びました。ホテルはポツダム通りのソニーセンターの向かいに建つ5☆を奮発しました。それでも音楽祭時期のザルツブルクより安かったのは驚きでした。しかも朝食付きで、ホテル内のミュシュラン2☆のレストランでいただけるという豪華版でした。

↓ お部屋も広い~!

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↓ 小さなキッチンと納戸式のクローゼット。写真には撮りませんでしたが、上の階に洗濯室があり、洗濯乾燥機にアイロンもすぐかけられるようにセットされていて、とても便利でした。

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↓ 納戸に置いた中型スーツケースとキャリーケース。これで24日間過ごせました(^^)V

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↓ 9階の私の部屋からの眺め(左の黄色い建物群がベルリンフィルハーモニーのホール)

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 夕食はネットで評判の良いクーダムのレストランへ。伝統的なヨーロッパスタイルのやや古びた内装、サービスはお年寄りの男性が一人でした。店内はがらがらで3テーブルしか埋まってなかったので、悪い予感・・・。3コースのムニュを注文。

↓前菜の白アスパラは美味しかったけれど、主菜は普通、デザートは何をいただいたか忘れましたが、甘すぎて×でした。

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↓ ミネラルウォーターはビスマルクのマーク

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 日本語も少し話し、いろいろ気を使ってくれたサービスの方は感じ良かったのですが、お年寄りだからというわけではないのですが、うらぶれた感じと清潔感がないのはどうもいけませんでした。

食事の前に洗濯機を回してましたので、出来上がりを持って部屋に戻りました。猛暑のザルツブルクに比べると10度くらいは涼しいベルリンです。エアコンもオフにして、気持ちよく眠りにつきました。


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2014初夏の旅(9)ザルツブルク [2014初夏ヨーロッパ(オペラと美術の旅]

6/9(月)

 今日が最後のザルツブルクです。今年の聖霊降臨祭でチケットの売れ行きが一番良かったのがジョイス・ディドナートのリサイタルでした。オペラなどの手配をしているうちに完売してしまったので、その後たまにチェックしていたのですが、ある日1席だけが売り出されていて、即ゲット。友人のためにその後も覗いてみたのですが、それっきり・・・で、私だけでモーツアルテムへ。

♪ Liedmatinee Joyce DiDonato

11:00~Stiftung Mozarteum

PROGRAMME

ANTONIO VIVALDI • Arias of Ippolita from the opera Ercole sul Termodonte

GABRIEL FAURÉ • Cinq Mélodies, Op. 58 "De Venise"

GIOACHINO ROSSINI • Péchés de vieillesse, Vol. 1: Nos. 8-10. La regata veneziana

FRANZ SCHUBERT • Gondelfahrer, D. 808

ROBERT SCHUMANN • Two Venetian Songs from Myrthen, Op. 25

MICHAEL HEAD • Three Songs of Venice

REYNALDO HAHN • Venezia

 ジョイス・ディドナートは大ファンというわけでないのですが、フローレスと共演することが多いので、生の公演に接することが多く、お馴染みのメゾです。

 席は2列目左寄り。歌唱はもちろん素晴らしかったのですが、曲の合間のお喋りが楽しかったです。残念ながら、正確に聞き取れてないかもですが・・・汗。「ザルツブルクに来られてうれしい~!」と目を輝かすチャーミングなディドナートに場内はいっぺんに彼女の庶民的で生き生きしたパーソナリティの虜になったみたいです。アメリカの片田舎の出身で音楽大学に進んだことなど、これから歌う曲を一生懸命練習した日々など、ユーモアたっぷりにお話してくれました。ヴェネチアの歌が多いのは翌日のオテロに合わせたのかしら?聖霊降臨音楽祭の監督でもあるチェチェーリア・バルトリについても雲の上の人だったのに、私を呼んでくれてとてもハッピー!私の名前知ってたのよ~!には爆笑でした。歌唱も丁寧に心を込めて、ヴェネチアの風景が目の前に広がるような美しい歌が多く、ピアノ伴奏のDavid Zobelとも息もぴったり。今まではオペラの舞台上でのディドナートでしか聴いたことがなかったので、フレッシュなリートを満喫しました。プログラムの小冊子を購入しませんでしたので、上記のプログラムどおりの順序だったのかどうか・・・。アンコールは「湖上の女」のフィナーレのアリア、戦いを回避してエレナは喜びのうちに歌います「胸の思いは満ち溢れ」、平和を願う想いが胸に迫りました。素晴らしいリサイタルでした。

↓ 休憩の後、衣装替えした華やかなプリントのドレスがとてもお似合いでした。

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↓休憩のとき、今回の音楽祭に独りで見えていたシニアの女性(私より10歳くらい?年上の方)と立ち話してましたら、あの「先生」が現れました。逃げようと思ったのですが・・・、「魔笛の小屋へ行ったか?」とのお言葉に「いいえ」「行ってきなさい」とあくまでも命令口調(笑)きっとザルツ初心者と思われたのでしょう。モーツアルテムの平土間の後方からの庭園に建っています。オリジナルはウィーンにあり、それを移築したもの。

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 そろそろ日本食が恋しくなる頃でした。ホテルに戻る途中、ザルツブルクに来たときは1度は立ち寄る「長野」で、巻寿司をテイクアウト。ホテルの部屋で遅いランチにしました。14:30にロビーで友人と待ち合わせ「オテロ」観劇のため祝祭大劇場へ。

 ♪ Gioachino Rossini ‎‎‎• Otello

Jean-Christophe Spinosi, Musikalische Leitung
Moshe Leiser, Patrice Caurier, Regie
Christian Fenouillat, Bühne
Agostino Cavalca, Kostüme
Christophe Forey, Hans-Rudolf Kunz, Licht
Konrad Kuhn, Dramaturgie

BESETZUNG

John Osborn, Otello
Cecilia Bartoli, Desdemona
Peter Kálmán, Elmiro
Edgardo Rocha, Rodrigo
Barry Banks, Jago
Liliana Nikiteanu, Emilia
Nicola Pamio, Doge
Ensemble Matheus

16:00~Großes Festspielhaus

 席は前から4列目のほぼ中央、友人は最前列(機嫌良し 笑)の右寄りでした。私の席の両側は日本人、前の方の席も数人の日本人の姿。左に座ったシニアの女性はこちらへ来てから少しおしゃべりしていた顔見知りの方でした。昨日のコンサートはパスして、ウィーンへ1泊で往復されたそうです。そのせいかお疲れのようで・・・幕が開いてまもなくzzz。

 指揮と管弦楽は「チェネントラ」と同じスピノジとアンサンブルマテウス。もう少し、メリハリが欲しかったような・・・物足りなさがありました。ロッシーニの「オテロ」は演奏会形式ですが、2年前ブリュッセルのモネ劇場で聴いてました。今回で2回目ですが、ヴェルディの有名な「オテロ」には敵わないまでも、なかなか魅力的な作品だと思います。モネでもクンデとアントナッチが優れた歌唱を聴かせてくれました。さて今夜のオテロは?胸わくわくで幕が開きました。

チェネレントラの喜劇的ハッピーエンドとは違い、オテロの題材は暗い悲劇です。チェネレントラの湧き立つような明るさからデズデモーナの悲哀と苦悩の表現へ。バルトリはその持てるものすべてをこの舞台に表現してくれました。昨夜の大活躍から懸念されていた疲れなどどこ吹く風。舞台にいるのはオペラの女神のようなバルトリでした。柳の歌も絶品で、涙がこぼれそうでした。

舞台は15世紀のヴェネチアですが、この演出では現代に移され、オテロはムーア人として、人種差別を受ける側であることが強調され、ヤーゴやロドリーゴの扱いもヴェルディの「オテロ」とは違っています。筋書きについてはいつもどおり省略させていただきますが、この時代の若い女性の立場、親の権威や周囲の無理解さに逆らうすべのない無力さに胸を締め付けられました。この点で現代風な演出との食い違いが気になりました。侍女のエミーリアはデズデモーナの相談役として、二キテウも存在感のある歌唱。オテロのオズボーンは3年前のミラノスカラ座「湖上の女」以来でしたが、あの時もフローレスに負けない歌唱と演技でした。オテロも期待にたがわず素晴らしいパフォーマンス、力強い高音。この1か月後の東京でのリヨン歌劇場日本公演「ホフマン物語」も俄然楽しみになってきました。

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 ザルツ最後のオペラも終わりました。私は昼ごはんのお寿司がまだ半分残っていましたので、ホテルに戻りましたが、友人はひとりでレストランへ。人懐っこい彼女はレストランで同じく独り客の日本女性に声かけて同席されたとかで、楽しい食事だったようで、ほっとしました。このように独りでの旅での出会いも愉しめるようになってほしいです~。


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